私が43歳でプロデューサーとして
多忙を極めていた頃の年末に
霞が関から思いもかけない電話が
かかって来ました。
「亀井政調会長の鶴の一声で景気刺激
策をやることになったんですが、使い
きれないんで、是非使って下さい!」
学校公演をやる劇団にそういう電話は
まずかかって来ないんですが
社長が霞が関に強い方だったので
そういう電話を頂けた訳です。
さあ、それから年度末にかけて
書類作りにおおわらわでしたよ。
普段使ってる公演機材リストだけ
でなく、新たに購入するもの、
地方公演の経費に至るまで、
『文化振興予算』の名のもとに
いいわいいわで予算計上して…。
自己顕示欲の強い人ってのは
こういう時には水を得た魚のように
働くんですね。社長はまさにそういう
人で、子分にしてる他劇団の社長達に
電話しまくってました。まずは自慢話、
で、お前らにも儲けさせてやるという、
もう幸せの絶頂のように見えました。
面倒見よく書類の書き方まで教えて
儲けさせてあげてましたよ。
亀井静香氏は小渕内閣の時に政調会長
になり、公共事業を大胆にカットした
と言われてる人なんですが、見えない
所でこんなことが行われてた訳です。
ま、文化関係にばらまく金なんて
たかが知れてますけどね。
東日本大震災の時は復興増税までして
作った19兆円とも言われる予算の
ほとんどが被災地以外のことに使われ
それでも使いきれないって話があり
ましたよね?新国立競技場で物議を
かもしてる今「予算を倍に膨らませた
のは誰だ!」って聞いても「私だ!」
って答える人はいないんですね。
「予算の内訳を1つ1つ説明して
みろ!」って言っても説明できる
人はいないんです。とにかく
膨らませるだけ膨らませて
あまれば「使って下さい!」って
頼んで使ってもらうつもりだったの
かも知れませんね。
税金還流のおこぼれを頂きたくて
犬みたいに舌出して、チンチンして…
そうやって頂いた餌の分前を
偉そうに子分に分けてやって…
私はそういうの、やりたくないです。
そういう人が
「やり手」と言われるなら、
私は「やり手」でなくていいです。
私は、ただただ
人様に喜んで頂ける仕事をして
その対価としての報酬を頂き、
顧客とも会社の人々とも
気持よくおつき合いできる
環境を作るために
尽力したいと思っています。
Because, that’s my life !
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp
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