2015年8月10日月曜日

加害者意識

夏になると毎年
沖縄・広島・長崎で行われる行事…
戦争の犠牲者は世界中におられ
苦しみや悲惨さに優劣はありません。
にもかかわらず、あえてこれらを
盛大に行うその心根には
被害者意識の表現欲求が
あるからではないかと感じます。

じゃあ、加害者は誰?
沖縄に上陸し、広島・長崎に原爆を
投下したのはアメリカ軍です。
しかしそもそも、勝算なき戦争を
始めた愚かで無責任な人々がいて、
降伏すべき時に降伏出来ない
人命より己の保身を優先させる
人々がいたからこそ、多くの被害者を
生むことになった訳で、本当の加害者
は誰なのかと私は問いたいです。

じゃあ、日本と戦った国々の
人々にとって、加害者は誰?
日本軍が行った大量虐殺・捕虜虐待・
非人道的な人体実験などの犠牲に
なった人々やそのご家族の筆舌に
尽しがたい苦しみや怒りを考えると、
私達日本人が被害者面ばかりして
いて良いのだろうか、と思います。
首相の談話に「侵略」「お詫び」の
文言を入れるの入れないのと
木を見て森を見ぬが如き稚拙な
議論は、是非やめて頂きたいです。
恥ずかしいです。

先の大戦は満州事変から始まった
侵略戦争であるという概念が
国内外に定着した概念ですが、
ハル・ノートを突きつけられて
自存自衛のためにやむにやまれず
真珠湾攻撃を行い戦争が始まったと
唱える人も未だに大勢います。
百歩譲ってそうであったとしても、
日本軍が行った蛮行の数々を正当化
することは出来ませんし、謝らなくて
いいということにはなりません。
戦後70年の節目など関係なく
夏の恒例行事同様、毎年
反省とお詫びの気持ちを表明しても
良いのではないでしょうか?
自虐的でも何でもないです。

「安らかに眠って下さい
過ちは繰返しませぬから」と
広島の平和公園の慰霊碑に
書かれています。しかし
戦後70年間、平和憲法を盾に
加害者にも被害者にもならずに
生きることが出来た日本人が
加害者にも被害者にもなり得る
状況に追い込まれつつあります。
自らが選択した政権によって…。

戦場で殺し合う人と人は、決して
憎しみ合って戦うのではありません。
為政者達の都合によって
否応なくそこへ送り込まれ
殺さねば殺されるから、殺すんです。
その人を産み育てた親は
我が子にそんなことをさせる為に
産み育てたんじゃないはずです。

私達日本人は
二度と過ちを繰返さない為にも
被害者意識だけでなく
加害者意識も感じ、次世代に伝えて
行かねばならないと思うんですが、
皆さんは
いかがお考えになりますか?

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
E-mail:
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