五輪エンブレムの盗作疑惑が
話題になってからというもの
サントリーのトートバッグや
東山動物園のロゴマーク、Tシャツ
のデザインなどの疑惑も浮上し、
佐野研二郎というデザイナーさんの
名誉が大きく傷つけられていますね。
盗作云々以前に、デザインそのものに
人気がないってのも、騒ぎを大きく
してる一因のような気がしますが…。
ご本人は1964年のエンブレムを
デザインした亀倉雄策氏への
オマージュだと言ってますが
だとすれば、その動機自体いかがな
ものかと、私は思います。なぜ
オリジナリティーで勝負しようと
思わなかったのか、不思議です。
公募の際に「亀倉氏をリスペクトして
作る」ことが条件として出されていた
という噂もありますが、いずれにせよ
五輪エンブレムともなれば
いいものであれば国民は誇らしいし
悪いものであったり、疑惑があったり
すれば、国民は恥ずかしいですよね。
デザイナー達は「似たものはたくさん
ある。いちいち盗作と言われたら仕事
が出来ない。」と言いますが、
ベルギーの劇場ロゴとスペインの
デザイン事務所のロゴを見れば、
我々素人が疑惑を感じてしまうのは
無理からぬこと、自然な反応じゃない
でしょうか?私に言わせれば
プロは結果勝負ですから、???と
思われた時点で、もうアウトです。
多くのデザイナーが佐野氏を擁護
しているのは、彼の人柄や仕事が
高く評価されている証だと思います。
また、自分にも飛び火する可能性の
ある話なだけに、静観している訳に
いかないのかも知れません。
「本人が盗作じゃないと言ってるん
だから盗作じゃないんだ!」と
ひどく憤慨してる方もいますが、
それなら罪状認否する被告は皆、
無罪になります。むしろ擁護する
側の方に冷静さを求めたいですね。
それにしても、いい加減日の丸から
離れられないもんでしょうか?
デザインとしてはシンプルで美しいと
思いますけど、国旗をモチーフにする
ことに発想の貧困さを感じますよ。
デザイナーはクリエイターであり
メッセンジャーであってほしいです。
64年は「日本を認知して下さい!」
ってのが日本人のメンタリティーで
良かったと思いますけど、今はもう
格段に認知されてる訳ですからね~
JALみたいに赤い丸を
連想させれば権威づけされるって、
それじゃ淋しいでしょ?
過去のオリンピックを調べたら
国旗をモチーフにしたのは
日本が2回(東京と札幌)
アメリカが2回(ロサンゼルス)
オーストリアが2回(インスブルック)
それだけでした。そりゃそうですよ、
ロンドン大会はユニオンジャック、
北京大会は真っ赤っ赤なんてなったら
「どうなのよ~」ってなっちゃうでしょ?
長野は日の丸じゃなかったけど
評判は悪くないんじゃないですか?
サントリーのトートバッグ
に関しては完全にアウトですね。
デザイナーさんはレイアウト屋さん
なんでしょうか?素材のコピー&
ペーストはパクリのうちに入らない
という感覚があるのかも知れません。
(そういう人をコピペデザイナー
って言うんだそうですが…。)
業界の常識は世間の非常識って
ことはないんでしょうか?しかも
分業と称してスタッフに丸投げして
チェックが出来ないのは大問題で、
アニメにおける『人物』『背景』の
分業制とは明らかに質が違います。
桑田佳祐作曲のキャンペーン・ソング
30曲のうち8曲はスタッフが勝手
にパクった曲でしたなんてなったら
もっと大騒ぎになるでしょうし、
業界内からも批判が出るでしょうね。
問題を起こした国会議員が秘書の
せいにしたら、幹事長だって厳しい
こと言わなきゃならないでしょう。
同業者があまり疑惑の人を擁護
し過ぎると、その業界自体が倫理観
に乏しいのかと思われますよ。
作曲の場合、ドの次をミにしようが
ファにしようが、4分音符にしようが
8分音符にしようが、符点だろうが
三連符だろうが、似たメロディーは
思い浮かぶもんです。それでも、
盗作と言われないように
工夫しながら作曲するんです。
ベートーベンやブラームスが
バッハのコード進行をオマージュ
として使ったって言われても、何の
こっちゃ解らない人が多いでしょう。
レコード大賞を受賞した
「いいじゃないの幸せならば」の
作曲家は業界内ではパクリの名人
として有名で、コード進行が
「シェルブールの雨傘」のパクリ
だったと言われても、何のこっちゃ
解らない人が多いでしょう。
でも上海万博のテーマソングが
岡本真夜の曲にそっくりだとなれば
「そうだ~!」ってなるでしょ?
要は、ド素人にも解っちゃうレベルは
アウトだけど、そうでなければ
セーフってのが現実なんでしょうか?
皆さんは
いかがお感じになりますか?
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp
0 件のコメント:
コメントを投稿