2015年8月28日金曜日
地域に根ざす
『地域に根ざす』という言葉は
いろんな職種で使われてますが
訪問介護の世界でも、そんな風な
キャッチコピーをよく見かけます。
耳ざわりのいい言葉ですが
その意味を考えてみると…?
利用者さんにとっては
事業者が近かろうが遠かろうが、
必要に応じて来てくれればいい訳で、
地域に根ざしてもらわなきゃ
なきゃならない理由などありません。
近くでなきゃ困るのは事業者です。
プランナーや責任者は定期的に
利用者さん宅を訪れますが、距離が
遠いほどロスが増えます。ヘルパー
さんも事業所周辺の方が多いので
遠くへは行きたがりません。
訪問介護では、利用者さん宅への
移動時間には賃金が発生しないので
片道15分かかる所へ30分の仕事
をしに行けばトータル60分拘束
されますが、頂けるのは30分の
賃金だけです。言い換えれば
半分の賃金で働く訳です。
移動支援では、たとえ拘束時間が
2時間でも、利用者さんと一緒に
いたのが30分間なら、30分間の
賃金しか頂けません。言い換えれば
4分の1の賃金で働く訳です。
こういう仕事は登録ヘルパーさん
には引き受けて頂けませんが、私は
ヘルパーさん個人も事業所も、効率
良く稼ぐ方法は同じだと思ってます。
世間では8%の消費税を10%に
するだけで大騒ぎになるのに
訪問介護の世界では1割負担が
いきなり2割になったり
4分の1の賃金で働いたりしても
さして大騒ぎになりません。しかし
請け負っている仕事を全て移動時間
も含めた全拘束時間で時給換算し
可視化すると、事業所ごとの本当の
実力が見えますので、数に大きな
差が出るようであれば、ちょっと
騒がしくなるかも知れません。
今後ますます介護報酬が減らされ
事業所は薄利多売を余儀なくされ
大きな事業所にして
固定費率を下げたくても
テリトリーを広げ過ぎれば
効率も落ちるし、ヘルパーさんも
おっつかない…。
利用者さんの広がりに比例して
ヘルパーさんも広範囲に
配置できればいいけれど
そう上手くはいかないと思います。
やはり訪問介護は地域に根ざすしか
ないような気がします。
『限りある人材を活かしきる』これが
キーワードではないでしょうか?
その為に仕事の効率を、あらゆる角度
から見直すことが必要ではないか?
と、私は思うんですが
皆さんは
いかがお考えになりますか?
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
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