本州の最北端はご存知、青森県。
角のように北へ突き出ている半島は
左が津軽半島、右のマサカリ型のが
下北半島です。
青森市から下北半島へ向かう途中に
横浜町という小さな街があって
そこの小学校で文化庁の僻地巡回
公演をしました。当時私は26歳、
主役を頂いたばかりで、ストイックに
役作りに取り組んでいる頃でした。
また、共演者の妻とは結婚を7ヶ月後
に控え、舞台から降りればラブラブで
今みたいになっちゃうとは
想像もつかない2人でした。
午前中に舞台の準備を済ませ
ウォーミングアップの為に
校庭で体操やキャッチボールを
していたら、子ども達が寄ってきて
一緒に遊ぼうかってことになり
三角ベースを楽しみました。
「じゃあ、午後のお芝居、楽しみに
ね~。」と言って別れて、私達は
そこで車座になって、お昼の弁当を
食べ始めたんですが、子ども達が
鍋を持って戻って来ました。中には
水と海藻が入ってました。これを
火にかけて沸騰させると海藻の色が
変わるのだと説明され、じゃあ
せっかくだからってんで、焚き火して
温めて、弁当のおかずにしました。
すると別の子達が、大きな入れ物を
みんなで持って来ました。中には
ホタテがぎっしり入ってました。
サイズが小さくて売り物にならない
ホタテで、漁師さんの家族は毎日
それを食べてるんで、もう飽き飽き
してるんだとか。ご丁寧に鉄の網まで
持って来てくれたので、それを焚き火
の上に乗せ、ホタテを一杯並べて
パカっと口が開いたら醤油ちょろっ
とたらして食べましたが、食べても
食べても食べ切れませんでした。
翌日はマサカリの最先端の南側の
脇野沢という小さな街で公演でした。
マサカリの北側にはマグロで有名な
大間があります。全校生徒に職員
全部あわせても100人に満たない
学校で芝居を観せて、荷物を積んで
帰るときには、先生も生徒も総出で
見送って下さいました。松竹の
映画みたいに、見えなくなるまで
いつまでもいつまでも手を降って
見送って下さいました。
脇野沢から陸を走って青森市内に
帰るとなると2時間程かかるので
フェリーで津軽半島の蟹田へ渡り
宿に帰ることになったんですが、
私達がフェリー乗り場で時間待ち
していると、教育委員会の担当者が
レジ袋2つにアンパン・ジャムパン
いっぱい詰め込んで、差し入れして
下さいました。「船の中で食べて
下さい!」って。モロゾフのプリン
とかじゃないってのがまた
素朴でいいじゃないですか、ネ。
To be continued
武内利之の「ザッツ・ライフ」
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