2020年2月2日日曜日

超絶技巧

私、超絶技巧が嫌いでね。

「凄いでしょ?」みたいな演奏が出てくると
すぐ消しちゃうんですよ。関心と感動は違う、
否、関心すらしない。

昔、リストってピアニストが超絶技巧を売りに
して名声を得たものの、作曲に専念するように
なると、徐々に作風が変わってったんですって。
有名な「ラ・カンパネラ」は、もとは情緒も
へったくれもない超絶技巧をひけらかすための
曲だったけど、改作を重ねて、今でも演奏され
ている素敵な曲になったんですって。

クラもそうですよ。普通に吹きゃあいいのに
余計なおかずくっつけて派手に演奏したり、楽器
じゃなく土管を鳴らすみたいにバリバリ鳴らし
たり、「熊蜂の飛行」を選曲したり…早く演奏
できるってとこ見せたくて選曲するんですかね。

チゴイネルワイゼンで一番グッと来るのは
どこんとこですか?中間部のゆったりと切ない
メロディーでしょ?

凄い離れ業で人を驚かすのって、再生回数を
増やしたいYouTuberみたいじゃないですか。
芸術家としては、お寒い感じがします。

誰にも出来ない技術をひけらかすのでなく、
誰にも出来る曲を、
誰にも出来ないほど感動的に演奏するのが
プロってもんじゃないですかね。

名も無き親爺が人生を語る
世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」

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