2015年6月19日金曜日

逆風との戦い Part3

常に逆風と戦うということは
常に周到な戦略・戦術を練って
必死に戦い続けるってことです。
経験則は邪魔になるだけで
コストダウンとレベルアップを同時に
成し遂げるようなビジネスモデルを
開発し続けなければならないんです。

部下達は私自身が面接して入れた
精鋭達でしたが、それでも1~2年で
潰れて行きました。まるで船乗り
みたいな出張生活に、若い社員が
耐えられないのは当然のことです。
ですから私は、せめて彼らが
帰京している間の時間を
大切に使ってあげたかったんです。
社長は長時間の会議が大好きでしたが
そこにメスを入れ、会議は1時間と
決めました。その代わり、事前に
議題を伝えて、自分なりの意見を集約
してから参加させました。そして
必ず最初に自己反省をさせました。
己の非力や怠慢を棚に上げてお題目
ばかり並べたところで、どうせ無責任
な結果しか得られないからです。
私は四六時中、考えてばかりいたので、
議題を出す時には既に自分の腹は
決まってました。でも会議の席では、
一番最後に皆と同じように自己反省と
自分の考えを述べました。すると誰も
私の考えに異を唱えませんでした。
情報収集、現状分析、発想力などの
能力を持てる資質があっても、努力な
しでは身につきません。彼らは無能な
のではなく、ただ呑気なだけでした。
いつかは食えなくなると本気で心配
してるのも私だけなら、一生の仕事に
したいと思ってるのも私だけでした。

新入社員は3ヶ月間はお見合い期間、
なので3ヶ月もたずに辞めてく人も
いましたし、私から容赦なく引導を
渡すことも一度ならずありました。
私は社長に、私への評価は全体の
数字で、それも売上ではなく利益で
見てほしいと頼んでいました。売上に
こだわるあまり出費に無頓着になり、
不効率な状況をかえりみなくなるから
です。仕事の出来ない人間を使い続け
れば、そのツケは自分に回ってくる
仕組みを自ら望んで作ったわけです。

戦略・戦術というものは
現在のマイナス要素をチェックし
今後の見通しを立て、どうしたら
プラスに変えられるかと順に考えて
行けば、私のような凡庸な人間にも
思い浮かぶもんです。にもかかわらず
有言実行するような人間はいない。
「数字を上げろ!」と言っただけで
上がるかと言えば、そうも行かない。
結局、自分が抱え込むしかないんです。

いつしか、私の発想に劇団が着いて
来られなくなり、私は全く新しい発想
の新劇団立ち上げに参加しました。
コストダウンとレベルアップを同時に
成し遂げる為です。でなければ座して
死を待つに等しい状況であるという
認識が少なくとも私にはありました。
そして10年間、あの手この手を
やって、やって、やり尽くして
ついに万事休すとなりました。
すぐに食えなくなってしまう
状況ではありませんでしたが、
少なくとも頂いてる給料分の働きが
出来なくなりつつありました。
何より、仲間達に満足な給料を
手にさせてあげられない自分を
許すことは出来なかったし、
私に代わって指揮を取ってくれる人も
見当たりませんでした。部下の給料が
下がるのは上司の責任ですから、
その時は辞める時と最初から決めて
いました。そうやって自分を戒める
もう一人の自分が必要だったんです。
社長も、私がやってダメなものは
誰がやってもダメと、サバサバした
もので、私の退団を機に
その劇団は活動停止となりました。

燃え尽き症候群になっても
おかしくなかったんでしょうが
万事休すと悟った時に鬱になり
そこから這い上がる頼みの綱として
介護があり、すかさずそれに
しがみついたとたん、第二の人生の
火が灯りましたので、燃え尽きる
暇はなかったんです。

お陰様で今は、人生で初めて
右肩上がりの業界に入って
トイレスのない幸せな日々を
送らさせて頂いてます。
散々苦労させておいて
最後に素敵なご褒美を下さる
そんな運命の悪戯に
感謝しなきゃいけませんね。

Because, that’s my life !

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp

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