2015年6月17日水曜日

逆風との戦い Part2

私にとっての職業病と言えるような
ことが幾つかありました。

いつもいつも頭の中を
数字が駆け巡って離れない…。
これは1学期のスケジュールが
ほぼ決まってしまう4月頭から
GW明けにかけて、そして2学期の
スケジュールがほぼ決まってしまう
6月中旬から夏休み後半まで私を
苦しめ、毎年毎年この2つの時期には
「辞めたい。」と思うほどでした。
GWと夏休み、長い出張から帰って
さあ家族と楽しく過ごそうって時に
頭は仕事から逃れられない…。
本当に辛かったです。

出張生活で
あまりに独りでいる時間が多いため
独り言を言う癖がつき、最初はそんな
自分を変だと思うこともありましたが
そのうちに何も思わなくなりました。
今は出張がなく、毎日帰宅し、
同居人もいますが、時折独り言を
言ったり、笑ったり、怒ったり
してます。一生治らないでしょうね。

営業で磨き上げられた話術が
私生活で邪魔になるのも困りました。
相手を観察し、瞬時に把握し、
加不足のない適正な会話をする。
教師と話す時は教師語で
外国人と話す時には外国語で
霞ヶ関人と話す時には霞ヶ関語で
バイリンガルになるのはいいが
主婦となった妻と主婦語で話すのが
おっくうになり、喧嘩になることも
しばしばありました。妻に
「子どもが言うこと聞かないのよ。」
と言われれば「フムフム、何があった
んだい?」と言って、結論を期待
しない長話を聞いてやるのが夫の
勤めなんでしょうが、当時の私は
「子は親の鏡だよ。」の一言で
終わらせちゃうんですね。
加不足がないどころか
究極の結論テラーですよね。

だんだん社長に似てきちゃうってのも
困りもんでした。やり手の社長から
仕事を教わりましたから、30代の
私は、かなり影響を受けたんですね。
社長は自己顕示欲が強く、ワンマンで、
人から好かれず、力で支配し尊敬を
集めようとするタイプでしたから、
憧れもしないし、似てほしくなんか
なかったんですが。社長がコンビの
ダイヤ入りロレックスの時計をしてた
ので、私もボーナスはたいてコンビの
ロレックス買ったくらいですから。
さすがにダイヤ入りではありません
でしたが…。その時計、もう長いこと
使わずにケースの中で眠り続けて
ますが、陽の目を見ることは
どうやらもう、なさそうですよ。

でも、いいこともありました。
私は、ただ営業に明け暮れてボロボロ
になりたくない、早く自分の企画を
プロデュースできるようになりたいと
考えていました。そこに行き着く前に
辞めて行く人ばかり見て2年が経ち、
気づけば自分が先頭に立ってました
ので、その思いは一層強まりました。
「消化する仕事をしてたら潰れる。
 生み出す仕事をしなくては…。」
私に、考える習慣がつきました。
社長の首を縦に振らせる企画、
ヒットする企画、世のため人のために
なる企画、それら全ての要素を満たす
良い企画を立案したかったんです。
それまでの私は、どちらかと言えば
浮世離れしたピーターパンみたいな
男でしたが、ニュースを見て
社会問題について考えるようになり
徐々に普通の人になって行きました。
時間を守るようになり、整理整頓する
ようになり、協調性も出て来ました。
おそらく、音楽家志望の学生時代や
俳優時代の私とはまったくの別人に
なってしまったような気がします。

そして何よりの宝
やると決めたらやり抜く根性
やれば出来るという自信を
持たせて頂くことが出来ました。

年貢の納め時がひたひたと
確実に自分の身に迫っていることを
感じ取る能力さえも…。

To be continued

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
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