2015年2月23日月曜日

罪の意識

吉田松陰は仕事時間中に
歩いている途中で小便をすると
その後に走って遅れを取り戻した
と言います。仕事という公の時間に
小便という私の時間を費やすことに
罪の意識を感じていたようです。
こういう偉い方の弟子達が
明治新政府を創った訳ですから
当時のお役人さん達は私心のない方
ばかりだったんでしょうね~

私が或る劇団に所属していた頃
霞が関のお役人さんとおつき合い
する機会がしばしばありました。
社長のお供でランチやディナー
夜の飲み会にお誘いすることも
ありましたし、国内外の公演地に
視察旅行して頂くこともありました。

最も頻繁にお会いした方は
人当たりがよく
頭の回転がすこぶる速くて
仕事熱心な好青年でした。
ノンキャリでも課長まで行けば
天下りの権利が得られるらしく
ある日、何劇団かで原資を出し合って
財団法人を創るのも一考だと
聞きもしないことを話し始めました。
いずれ自分が理事長におさまった
あかつきには、財団と劇団との間に
別会社をかませて窓口を一本化し
私(武内)がその会社の社長になれば
政府発注の仕事が円滑に運営できる
というストーリーを淡々と
独り言のように話しておられました。
ドラマでも滅多に見られないような
息を飲むシーンだと思いません?

円滑に運営できるという意味は
劇団の差配は君にまかせて
僕は視察旅行とハンコ押しに
専念するよ。で、いずれそのうち
その窓口会社にも移って尽力するよ。
私にはそう聞こえました。

大劇団ならいざ知らず
中小劇団が幾つ集まろうが
満足な原資ができる訳もなく、結局
絵に描いた餅で終わった訳ですが
仕事熱心な好青年の口から出た
意外な言葉に私は心底驚きましたし
霞が関のお役人さんというものを
初めて正確に認識した瞬間でした。

介護の世界は私にとって未知ですが
そういうおつき合いをする企業も
あるんでしょうか? 解りませんが
万が一あったとしても
私はそういうおつき合いを
するつもりはありません。

非合法な泥棒は泥棒と呼ばれますが
合法的な泥棒は泥棒と呼ばれません
ですから罪の意識もないでしょう。
でも、先方になくても
こちらにはあるんです。

泥棒の片棒なんか担がなくたって
立派に事業を展開して見せますよ!
なんか、思い出しただけで
メラメラと闘志が湧いて来ました!
松陰先生、見ていて下さいね!!!

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
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