マンションの構造計算書偽造事件で
マスコミを賑わしたディベロッパー
会社の社長さんがいましたよね。
「私はホリエモンならぬ
オジャマモンです。」なんて
たいして面白くもないこと言ったり
国会の参考人質疑の場で
「国交省もいい加減にしてほしい
ですね、まったく!」と激高したり
していたことが印象に残っています。
若い頃から様々な職種で抜群の営業
成績をあげたヤリ手だそうですが、
何でも母校の同窓会の費用50万円
を全額負担し、当日はリムジンで会場
に乗りつけたことがあるそうですね。
実は私、良く似たタイプの方と一緒に
仕事をしたことがあるんです。
仕事依存症かと思うほどの仕事好き、
抜群の営業力、上昇志向の強い方で、
ご自身が立ち上げた会社を短期間に
成長させました。お金儲けより自分の
サクセス・ストーリーを創ることに
熱心なように見えました。
海外交流事業を推し進めたり
政府発注の仕事を取って来たり
皇族を何度も仕事現場に招いたり
並みの人間には真似の出来ない
素晴らしい働きぶりでしたが、それは
自分は大物と渡り合える
自分は大きな仕事ができる
自分は人並み外れた才覚がある
そういう存在感を業界全体に
認めさせたいという欲求があった
からではないかって思うんです。
功名心というよりは
自己顕示欲のかたまりという表現が
似つかわしかったように思います。
ダイアリーに細かい字でビッシリ
自分のすべきことが書いてあって
一つ一つ、こなす度に消し込む
そんな几帳面な方でもありましたが、
部下に対してはアメとムチを
巧みに使い分け、強引に自分の
ペースに引きずり込んで行きました。
部下の知識・経験・アイデアを吸収し
自分の成果につなげて行きました。
若い女性と一夜を共にした翌朝、
用もないのに部下たちを呼んで
モーニングコーヒーに同席させる。
羨ましいと
思わせたかったんですかね?
私の勝手な想像ですが、おそらく
生い立ちに起因するのではないか
そんな気がしてなりません。
子ども時代に褒められたり
認められたりしなかったのでは?
故に「見返してやる!」という強い
気持ちがアイデンティティーと
なってしまったんじゃないか…。
自己顕示欲の強さが素晴らしい
才覚を育てるに違いないんですが
それ故に人からは尊敬されない
ような気もします。ですから
ご自分が望んでいるような
本当の大物にはなれないんですね。
『天は二物を与えず』
ということなんでしょうか?
ともあれ
世間知らずの役者バカだった私に
プロデューサーとしての職能を
身につけさせて下さった
恩人ですので、感謝しています。
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp
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