2014年11月3日月曜日

自立支援

私は結婚以来ずっと、大蔵省を
妻にまかせきりにして来ました。
演劇で家族を養う
それだけが私の取柄で
それ以外はからっきしダメでした。

一方、妻はと言えば、
収入の多い月も少ない月も
お金は全部使い切るという
才能に恵まれています。
こんな脳天気な夫婦が
よくぞ2人の子どもを育て上げ
今日まで生きて来られたものと
他人事のように関心してしまいます。

ところが最近
夫婦ともども老化現象なのか
物忘れがひどくなり、これは
他人事では済まされない事態です。

ですから
スマホのメモ帳やボイスメモの他
メモ用紙をリュックに取りつけて
そこに書いたりして、二重三重の
物忘れ防止策を講じています。
脳を若返らせようと悪あがきするより
他に講じる策があるなら、とにかく
それをやってみようと言う訳です。
それも効果がないほど
記憶力が低下してしまった時は
年貢の納め時と覚悟しています。

自立支援

介護学校に通うと、金科玉条のごとく
毎日のように聞かされる言葉です。
それはつまり、介護の使命は
利用者さんがご自分で出来ないことを
代わりにして差し上げるのではなく
ご自分で出来るように導いて
差し上げることだと言うんです。

現状で何が出来るかを考え、伸ばす
というのは介護の仕事ではなく
現状を改善せよという訳です。しかし
それは、改善する可能性のある方
にはいいんでしょうが、そういう方
ばかりではありませんよね。

病気の性質上
衰えて行くことが解っていて
余命もおおよそ解っている場合
それでも「自分でやってみましょう。」と
改善を促さねばならないのか
私には疑問なんです。
利用者さんも辛い。私も辛いです。

一方で
「ご自分で出来るでしょ?」と思うような
ことを、して差し上げちゃう支援もあり
内心「これは支援ではなく娯楽。これを
やってたら、どんどん動けなくなる。」と
心苦しく思いつつ行う場合があります。

もし自分が利用者なら…
と考えると、どれもお断りしたくなるかも
って思います。

私は指示に従って働くヘルパーですが
責任者やプランナーの方は
それを決定し指示するお立場ですから
私なんかよりずっと
お辛いのかも知れませんね。

お気の毒に思います。

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp

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