2014年10月8日水曜日

月に祈る

夜の支援の帰り道
夜空を見上げる人が
たくさんいました。
月食だったんですね。

皆さん、どんな思いで月を
眺めていらっしゃったんでしょうかね

私が高校3年生の時
学校の芸術鑑賞会という行事で
テネシー・ウィリアムズ作の
『ガラスの動物園』という
演劇を鑑賞したんですが
その一場面に母と娘が
月にお祈りをする場面がありました。

足に障害を持ち、引っ込み思案で、
職業訓練校に通ったふりして
毎日、街をぶらつき
母に内緒でガラスの動物を買っては
それを眺めて暮らしている娘。
その娘の行く末を案じ、
好青年を食事に招いて
交際させようと企てる母。
が、思うようにはいきません…。
青年を見送った後、夜空には満月。

娘「お母さん、何をなさってるの?」
母「お祈りしてるのさ、お月様に。
  あんたの行く末を。幸せをね!」

私は、このセリフを聞いて
涙がどっと溢れ出たことを
つい昨日のことのように
覚えています。


当時の私の家庭は、母親が失踪し
幼い妹の行く末について
兄の私としては気がかりであった
それだけに、心に響いたんですね。

この劇と出逢ったことで
私は演劇の道へ進むことを
心に決めたんです。

では今宵は
グレンミラー楽団による
『ムーンライト・セレナーデ』を
お楽しみ下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=zdbY5x22gUI


武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
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