2016年2月15日月曜日

ひまわりと月見草

年末年始にかけて
テレビで長嶋茂雄さんのトーク番組を
2つ観ました。そのうちの1つで
聞き手が最後に
「79歳の今の夢は?」と尋ねると
「走りたい気持ちがあるね~。
走ってみたいと、その一言…。」と
お答えになりました。

『走る長嶋』で思い出すのは
立教大学時代にホームランを打って
喜びを全身で表しながら
ダイヤモンドを一周する映像です。
当時まだ巨人軍の選手だった
川上哲治氏は、その姿を見て
「全身バネのような男だ。」と
感じたそうです。
私も、そう感じましたよ!

現役時代は人の見てない所で練習し
球場では格好良く結果を出すのが
プロの美学だと言ってた長嶋さんが、
脳梗塞を起こしてからは、同じ境遇の
人々の励みになればと、リハビリする
姿を見せるようにしたんですって。

長嶋さんのライバルとして
日本シリーズやオールスター戦で
戦ったキャッチャー野村克也氏は
こんな言葉を残しました。
「長嶋が太平洋に咲くひまわりなら
 俺は日本海に咲く月見草だ。」
当時は人気のセ、実力のパなんて
言われましたが、誰が言ったか
知らないが、人気じゃ逆立ちしても
セリーグに敵わないので、せめて
実力で負かしてやろうという気概が
パ・リーグの選手にあったんですね。

野村さんの現役時代の成績は
首位打者1回・本塁打王9回
打 点 王7回・三 冠 王1回
2901安打・657本塁打
1988打点
監督として4チームで計24年間
戦い、優勝5回(うち3回は日本一)
素質がありながら成績が伸び悩んで
いる選手を上手く再生させて
『野村再生工場』と呼ばれました。

一方、長嶋さんの現役時代の成績は
首位打者6回・本塁打王2回
打 点 王5回・三 冠 王0回
2471安打・444本塁打
1522打点
史上初の天覧試合での劇的な
サヨナラホームランや、涙の引退
セレモニーなど、数々の思い出を残し
記録の王、記憶の長嶋と言われました。
二度の巨人軍監督として計15年間
戦い、優勝5回(うち2回は日本一)
「メイクミラクル」とか
「メイクドラマ」とかの流行語を
生み出しました。そして愛弟子
松井秀喜氏と共に国民栄誉賞を
受賞しました。

選手としても監督としても
長嶋さんをしのぐ成績を誇る野村さん
ですが、ミスタープロ野球の輝き、
スター性には敵わなかったようです。

偉大なお二人の話の後に
私事で大変に恐縮なんですが
私、子供時代はずっと巨人ファン
でしたから、当然のごとく長嶋さんに
シンパシーを感じてしまう訳です。
しかし今更って感じもしますが、
よくよく考えてみれば私の人生も
間違いなく日本海の月見草でしたよ。
私には、音楽家・演劇人・介護者
という3つの私がおり、どれ一つ
とってもメジャーな存在ではなく、
常に名も無き存在でした。
そしてこれからも
名も無き存在であり続けます。

演劇をやってた頃は、70の爺さんに
なっても学校の体育館で芝居してたら
素敵だなって、舞台でばったり倒れて
ボーダーライト見つめながら死ねたら
本望だなって思ってました。

59歳の今の私は
クラリネットを吹いてみたい。
家には叔父の形見と、先輩から
譲り受けたものと、クラリネットが
2本もありますから、私の場合
吹こうと思えば吹けます。しかし
楽器は何十年も吹いていないと
容易に音は出てくれません。
吹くには、それなりの覚悟がいります。
ま、しかし、吹こうと思えば
吹けるのに、吹かないんですから
さほど吹きたい訳ではないのかな?

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・木の朝に更新。

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