「何ができるかじゃなく
何がしたいの!」
と言ってくれましたね。去年は
ちょっと一休みして、これからの
人生について考えてみました…
ある方から届いた年賀状の文面です。
私が高校1年生の時、彼女は2年生。
お互い学級委員長で、月に一度の
生徒会で毎月、顔を合わせました。
当時は彼女の方がずっとお姉様って
感じでした。その年の2学期に私の
家庭がゴタゴタして、音楽のレッスン
も投げ出して、心境著しかった頃に
2人の文通が始まりました。私には
初恋の彼女がいましたが、それとは
別に姉弟のような気持ちで文通だけの
おつき合いをさせて頂いた訳です。
そして彼女が先に卒業し、翌年私が
卒業するまで、2年以上続きました。
1週間に1通、多い時は2通、
切手を貼って投函しましたから、
ゆうに100通を超えたはずです。
何を書いていたのか覚えていませんが
その時どきに感じたことを
思いのまま率直に書いていたんだと
思います。彼女の手紙もそうでした。
私は家庭のゴタゴタがあり、
志していた音楽の道を捨て、
一度は大学進学を志すも、一転
演劇の道を志すことを決めた、まさに
心境著しい時期でした。彼女は
バイトで知り合った男性と恋愛し、
失恋し、その後も彼を忘れられず、
鬱々としていました。
私が卒業して演劇学校という
新たな世界に入ったことで
自然消滅するように文通が終わり、
たった一度だけ池袋の居酒屋で
2人で酒を酌み交わしました。
それを最後に手紙を書くことも
逢うこともなくなりましたが、
この歳になるまでずっと欠かさず
年賀状だけはやり取りしてきました。
お互いの存在を確認し合うだけで
お互いの青春を確認し合える
そんな仲でした。
彼女は別の男性と結婚しましたが、
両親も夫も次々と他界し、
去年還暦を迎えました。一時休業
していた図書館の職員に今年から
復帰するけれど、それも3月まで。
体力に自信がなくなっているが、
4月以降の人生について
じっくり考えてみるとのことでした。
「何がしたいの!」
高校生の私がそう言ったんですね。
私は自分の言葉通り、やりたい演劇の
道を38年間ひた走って来ました。
そして思いがけず、高校生の私が
今の私に問いかけています。
「何がしたいの!」
今の私は生涯現役が最大の目標。
「何ができるか」が優先の人生を
歩まざるを得ません。それでも私は
最後まで、やりたいことを
追い求めて行くのかも知れません。
Because, that’s my life !
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・木の朝に更新。
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