28年前の今頃
病院の保育器から出された我が子を
初めて抱いて、感動していました。
妻は2度の流産の末、3度目の正直で
第1子の長男を産んでくれたんです。
3度目は大事をとって安定期に入る
までの2ヶ月間入院したんですが、
退院して来てあと1ヶ月ちょっと
という時期に破水してしまい、結局
帝王切開で産むことになったんです。
約1ヶ月間は、冷凍にした母乳を
病院に届ける際に、保育器の中で
体全体を使って呼吸する小さな小さな
我が子を遠くから見るだけでしたが
1ヶ月以上経って、ようやく
抱かせて頂けるようになったんです。
初めて我が子を抱いた妻は
「◯◯◯、お母さんだよ。いい子だね
◯◯◯は。」と言いました。
私も感動してたんですが
妻のその一言で
ちょっと頭がクールになりました。
いい子かどうか育ってみなきゃ
解らないでしょ?って…。でも、
それが母親ってもんなんでしょうか?
もう、生まれて来ただけで
とりあえずは『いい子』なんですね。
その3年後に、また2ヶ月入院して
第2子の長女を今度は普通分娩で
産んでくれましたが
だいぶ辛かったようで
帝王切開の方が楽だったと
言ってました。
今は長男が28歳、長女が25歳、
二人とも独立し
人生の伴侶も得ましたが
妻は未だに子ども達と
ちょこちょこ逢っているようです。
私は子ども達が訪ねて来ない限り
外で逢ったりはしませんが
Face Book はこまめにチェックして
いいねやコメントを入れたりします。
私にとって、巣立って行った者達は
他人同様、独立した個人でしか
ありませんから、頼み事をしたり
されたり、アドバイスをしたり
されたりということはあっても
あくまで対等なおつき合いなんです。
もはや『とうさん』は単なる呼び名
でしかないし、それぐらい
突き放さないと子ども達の為に
ならないと、私は思っています。
しかし妻にとっては永遠に
自分は母親であり、子ども達は
『いい子』なのかも知れません。
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
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