2017年6月18日日曜日

普通に接する

親子が並んで腰掛け、
ある映像を見ています。
その映像には、
変顔をする老若男女の顔が
次々とアップで映し出され、
親も子も、その変顔の真似をします。
最後に障がい者が登場して変顔をします。
子どもは何の迷いもなく真似をしますが、
大人は凍りつき、真似することができません。

この実験を見て、
子どもには偏見も差別意識もないが
大人には偏見や差別意識がある良い証拠だと、
批判する人がいます。
「障がい者というレッテルを貼らないで、
 もっと普通に見てほしい。」という訳です。

皆さんなら、どうだったでしょう。
真似できたと思いますか?
介護に携わる前の私だったら
きっと真似できなかったでしょう。
でも、今の私は
「そういう実験なのね。」と即座に気づき
敢えて上手に真似するでしょう。

以前、私は
為末大さんのTwitterの話をご披露しました。
障がい者の支援者と称する人々が
こちらの言動を何かと批判するので
障がい者に関わるのは「面倒臭い」と感じてしまう、
という偽らざる気持ちを吐露していました。

また、私は
相模原障がい者施設殺傷事件の際、
被害者の実名を公表しないのは差別だという
批判の声が上がったことについても
私なりの感想を書かせて頂きました。

障がい者と健常者の間には
常にこうした行き違いがあるように思われます。
子どもが何の偏見も差別意識もなく真似できる、
それは予備知識も経験もないのですから、
当然であり、特筆すべきことではありません。
では、大人はどうして真似ができないのでしょう?

そこで私は、敢えて
多くの大人の健常者達の代弁をします。

自分の配慮のなさで
障がい者を傷つけてはいけない。
「お前は健常者だから解らない。」と
批判されたくもない。が、しかし
障がい者の気持ちが解らないのは事実だ。
どうすれば傷つけ
どうすれば傷つけないのか
実のところ、言われてみないと解らない。
解らないから臆病になる…
解らないから躊躇する…

不用意な言動が批判されることが度々あれば
おっかなびっくりになるのは無理からぬこと。
その警戒感が大人の健常者を凍りつかせるのだと
私は思います。

偏見や差別意識の証拠と断ずる論には
私は敢えて異を唱えたいです。
むしろ、気遣いからの躊躇だと弁護したいです。

大人の健常者にとって
障がい者を傷つけないよう配慮すると同時に
「普通に接する。」ということは、
とても難しいことなんです。

障がい者や、ご家族、支援者の皆さんが
大人の健常者を批判することは自由です。
実際、配慮に欠ける行為はよく見かけられます。
しかし、批判された人が素直に間違いを認め
改めてくれなければ、批判の意味がありません。
「面倒臭い。」と思われないような配慮を
お願いしたいところです。

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年6月11日日曜日

本望な死に方


自分は一生芝居をやるんだと
信じて疑わなかった頃
「70になっても体育館で子ども達に
    芝居見せていられたら素敵だな。」とか
「舞台でバッタリ倒れて、
    ボーダーライト眺めながら死ねたら本望だ。」
とか、マジに思ってましたよ。

介護者になったいま、
雨の日にカッパ着て支援に行って、
支援が終わって利用者宅を出たら
思いがけなく晴れてて、
ニコッとしたとたんにぶっ倒れて、
青空見つめながら死ねたら本望だ。
なんて言ったら怒られるかな。

神様がさ
「もうカッパ着なくていいから、こっち来な。」
って言ってくれてるみたいで
いいかもよ。
Because, that’s my life !

名も無き親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年6月4日日曜日

将来像

まだ息子が幼かった頃
私は息子と一緒に
よく近所を散歩したものです。

私の息子は寄り道が好きで、
あちこちで立ち止まり、しゃがみこみ、
遅々として進まないのが常でした。
道端にしゃがみこんで、
石をいじっている息子を見て
「何が楽しいんだろう?」と思いましたが、
「本人が楽しいなら、いいじゃないか。」と思い、
私もしゃがみこみ、
石をいじくる息子の指先を見つめていたものです。

そのせいかどうかは解りませんが、
今30歳になる息子は私に似ず
おっとりとして屈託のない
誰からも愛されるような人間に育ったと、
親バカかも知れませんが
そう思っています。

子どもが大好きな私はいま、たくさんの子ども達と
接することのできる仕事を得て
幸せな日々を送らさせて頂いています。
介護の仕事の中に移動支援というのがあって、
A地点からB地点までの移動を安全に行う、
あるいは自宅を出て目的を果たし
帰宅するまでの移動を安全に行うための支援です。

そうした支援を行うにあたり
サービス提供責任者は、利用者さんやご家族、
そして相談支援専門員さんのご意向を受け、
移動支援計画書というものを作成します。
そこには長期目標や短期目標を書き込む欄があり、
実現可能な目標を期限を切って掲げます。

移動支援のための目標ですから、
当然、移動にまつわるエトセトラ
ということになります。そして、
障害福祉の1丁目1番地である「自立」
という概念から逃れることもできません。
しかも利用者さんが子どもの場合、
計画書の内容には
主に親ごさんのご意向が反映されるので、

長期目標:安全な登下校を維持しつつ、
            自立に向けて課題を克服する。
短期目標:信号遵守が出来るようになる。

などと書かれる場合が多いです。

長期目標:おっとりとして屈託のない、
            誰からも愛されるような人間に育つ。
短期目標:好きなだけ寄り道して、石をいじくる。

などと書かれることはありません。

子どもが大好きであるが故に
つい親のような気持ちで
その子の将来像まで考えてしまう私は、
この仕事にあっているようでいて
実はあっていないのかも知れません。
様々な制約がある中の「仕事」であるために
常に矛盾や不満を抱え、
その悩みから解放されるためには
「仕事だと割り切る」しかないからです。

それでも私は、
利用者さんやご家族とともに
将来像についての思いを共有しながら
仕事をしてみたいんです。

それが、私が大切にしている
「プラスアルファー」です。

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年5月28日日曜日

どなた様本位

癌になって、二度転移して、
計3回の手術をした高齢者が、
最近、アルコール性認知症になりました。

アルコールが回ってる時は
自力でトイレに行き、冗談が出るくらい元気。
ところが、
アルコールが切れると起き上がることも出来ず、
塞ぎ込んでしまいます。

ご家族は
「本人が飲みたがったら、飲ませて下さい。」
とおっしゃいます。
皆さんがヘルパーだったとしたら、
どのように対処しますか?

予備知識として
第1に、ヘルパーが嗜好品を提供したり
買い物代行したりすることは禁じられています。
第2に、ヘルパーが医師やケアマネの意向に
反した支援をすることは禁じられています。

もし、
ご利用者様のご意向にも、
ご家族様のご意向にも、
自分自身の良心にも
従えない場合があるとしたら、
その仕事はいったい、
どなた様本位と呼ぶべきなんでしょうか?

自我を捨て、結果を恐れず、
ひたすら介護への情熱に
身を委ねることが出来た時、
介護が美しいと
感じられるのでしょうか?

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年5月21日日曜日

テニスの美しさ

伊達公子さん
19歳でプロのテニスプレイヤー
となり、世界ランク・ベスト4、
シュテフィー・グラフを破るなどの
実績を残し、26歳で引退しました。
その後、結婚を経て39歳の時に
「クルム伊達公子」の名で現役復帰し、
アラ4世代の希望の星となりました。

しかし昨年、
左膝半月板断裂と関節軟骨損傷のため
手術を受けるか否かの選択に迫られました。

「手術をしないために(テニスを)
  辞める選択肢は生まれなかった。」

46歳の彼女は迷わず手術を選択しました。

「結果を出さなければいけない、
  強くなければいけない。孤独なように
  10代、20代を突っ走ってきたけれど、
  離れて見た時にテニスの素晴らしさ、
  テニスの美しさを実際に感じられた。」

と語る伊達さんは5月3日に
1年4ヵ月ぶりの復帰を果たしました。

ところで…

私は訪問介護事業所の
サービス提供責任者になって4ヵ月目です。
いきなり前任者から
20名近い利用者さんを引き継ぎ、
その後、月1件ぐらいのペースで
新規のご契約を頂いています。

出逢った全ての方の
期待に応えられる自分でありたいと願っても
容易にそれを叶えさせてくれない現実があり、
もがき、苦しみ、格闘する日々…。
そんな中、伊達さん復帰の記事を見て
大いに勇気づけられました。
そして、ふと思いました。

「美しい介護ってあるのかな…。」

伊達さんから学び、
自我を捨て、結果を恐れず、
ひたすら介護への情熱に
身を委ねることが出来た時、
介護が美しいと
感じられるのかも知れませんね。

しかし、46歳のプロ・テニスプレイヤーを
介護者に置き換えたら、いったい何歳になる?
80過ぎてヘルパーやってたら、
その境地に達することが出来ますか?

名も無き親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年5月14日日曜日

マーチ Part2


マーチは吹奏楽の魅力満載ですが、
オーケストラやピアノ曲にも
楽しい曲がありますね。

ワシントン・ポスト
8分の6拍子のマーチの代表格ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jQyXv4NK7kw

エル・カピタン
これも8分の6拍子。よく演奏したものです。
https://www.youtube.com/watch?v=yORgB9Ho1k0

忠誠
8分の6拍子のマーチで最も好きな曲です。
トランペットのファンフォーレあり、
高音楽器の装飾あり、低音楽器の装飾あり、
なかなか楽しい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=eOx3xOxcguQ

双頭の鷲の旗の下に
ドイツのマーチです。実はマーチの中で
私の一番のお気に入りです。厳かなイントロに
続き高音楽器による軽快なメロディー。そして
低音楽器による重厚なメロディー。
メリハリが効いてて飽きさせませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=uGAlLbj6z2A

勝利の父
フランスのマーチです。ラ・マルセイエーズの
勇ましさと、フランス独特のオシャレ感が
調和した、いい曲ですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=EIlDXjk2u3E

ラデッキー行進曲
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート
でお馴染みになりましたね。
https://www.youtube.com/watch?v=YWNRIkGhbos

威風堂々
イギリスの作曲家・エルガーの作品です。
他のマーチと違って格調高く
まさに威風堂々とした曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=m20LnRnSNDM

トルコ行進曲(ベートーベン)
交響曲やピアノソナタで有名なベートーベン様。
でも、こんな小品にも愛すべき作品が
あるんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=fM4x3CIEvzw

トルコ行進曲(モーツァルト)
小学校4年生の時のクラスメイトに
この曲を弾きこなす女子がいましたよ。
私は中間部の流れるようなメロディが
大好きです!
https://www.youtube.com/watch?v=B7ccYFyQMrE

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

2017年5月7日日曜日

マーチ Part1


マーチは楽しいですよね! ウキウキします。
行進曲と言うと軍隊のイメージがつきまとう
のが残念ですが、純粋に音楽として聴けば、
なかなか楽しいものですよ。

マーチの形式は
イントロ~A~B~C(トリオ)~D が一般的で、
トリオは穏やかな曲調になっています。また、
ユーフォニウムのオブリガート(対旋律)や
ピッコロの装飾的な動きなども楽しみです。

軍艦行進曲
日本の代表的なマーチです。パチンコ屋のBGM
でご記憶の方も多いでしょう。戦前戦中には
この曲が吹けるクラリネット奏者は一人前だと
言われてたそうですが、私はそんなに難しい
曲だとは思いませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=fUdKEaTLl_c

星条旗よ永遠なれ
アメリカの国家に準ずるような曲です。
私が中学校1年生でブラバンに入部した時、
「星条旗を吹けるようになろう!」が
部の目標で、その後めきめき上達し、
卒業する頃には十八番になっていました。
https://www.youtube.com/watch?v=FsJWGSqJ5_k

国民の象徴
アメリカ国家のモチーフが入っていて
メリハリの効いた、なかなかいい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=qBg-3LqeiQc

雷神
中学校の運動会の入場行進は、雷神に始まり
星条旗で終わるってのが常でした。
https://www.youtube.com/watch?v=X7AmOpvbSdE

錨を上げて
これは結構聴いたことのある人、多いでしょ?
https://www.youtube.com/watch?v=YcXbZK_VB-U

士官候補生
小学校のアコーディオンバンドで、この曲を
演奏してました。毎週月曜の朝礼でも退場行進に
使ってたし、年1回武蔵野音大でやる音楽会でも
演奏しました。私はスネア・ドラムでした。
https://www.youtube.com/watch?v=j21fCiYa0RU

旧友
符点や16分音符が多いので、
縦の線を合わせるのが結構難しい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=r2RJRbL-4DQ

美中の美
一般的にはあまりポピュラーじゃないかも。
でも私は演奏しすぎて、やや耳タコ。
https://www.youtube.com/watch?v=yTMk-bHHB10

海を越える握手
これは更にポピュラーじゃないけど、
私は結構好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=jKY3EwFvv9I

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新