『意志ある所に道あり』という言葉がある一方で、
私達の思い通りにはならない『現実』というものも
あります。いくら世の中に腹が立っても、失意の底
から這い上がりたいと望んでも、現実という高い壁
に阻まれた時、私達は成す術を失います。
そもそも人は、生まれて来たことと死に行くことは、
逃れられない現実です。しかし、たとえそうだと
解っていても、人は夢を見、前へ進もうとします。
先日のブログで私は『やじろべい』という考え方を
お伝えしました。そして今後の私の人生には
『不満足』であることが重要かも知れないと
書きました。それは、この作品の主人公が老人で
あることと無関係ではないのかも知れません。
【あらすじ(つづき)】
ドン・キホーテは城主(宿の主人)に騎士の叙位を
願い出る。城主は彼に『悲しい顔の騎士』という
名を与える。(悲しい顔の騎士)
https://www.youtube.com/watch?v=ojdsQ5bhCeU
明け方にアルドンザは宿泊していた荒くれ男達に
襲われ、連れ去られる。
獄中の囚人が「夢と現実は違う。なぜ詩人は異常者
が好きだ?人生をありのまま受け入れろ。」と
セルバンテスに言う。セルバンテスは答える。
「私は40年以上、人生を見てきた。苦悩・悲惨・
残酷。神の創りし子の声は路上に溢れる呻き声だ。
兵士も奴隷も経験したが、ある者は戦い、ある者は
鞭で打たれ死んだ。人生をありのまま受け入れた
結果、栄誉も遺言もなく『なぜ死ぬのか?』では
なく『なぜこんな人生を?』と問いながら死んだ。
異常とは何か?それは現実的過ぎること、夢を
持たぬこと。正気でいられることだ。最も異常
なのは、人生をありのまま受け入れることだ。」
荒野で座り込んでいるアルドンザに「私の貴婦人、
ドルシネア。」とドン・キホーテが声をかけると、
アルドンザは歌う。
「あんたの言ってることは妄想と嘘。私は貴婦人
のドルシネアじゃなく、売春婦のアルドンザ。
あんたは私に空を見せてくれたけど、嫌な男の
間を這いまわるだけの女に、それは残酷なだけ。
あんたの優しさは私を絶望に追い込む。暴力や
屈辱ならお返しもできるが、優しさは耐えられ
ない!」(アルドンザ)
https://www.youtube.com/watch?v=uPuu6ROXY2I&index=7&list=PLflNSgl9JucjhXzbV-uNFCa66m6QMDpzn
鏡の騎士が現れ「お前は騎士ではない。」と言う。
憤慨したドン・キホーテは、鏡の騎士に決闘を申し
込む。すると多数の鏡の騎士が彼を囲み、彼の姿を
映し出す。そして「鏡の中の現実をよく見ろ。ただ
の老いぼれた異常者だ。」と彼を追い込む。打ち
のめされ、その場にうずくまるドン・キホーテ。
疲れきった老人アロンソ・キハーナがベッドに
横たわっている。自分はドン・キホーテではなく、
あれは夢だったと思っている。アルドンザが現れ
「あなたと出逢って私の全てが変わった。あなたは
私をドルシネアと呼んでくれた。思い出して!」
と言いドルシネアの歌を口ずさむ。アロンソは言う
「あれは夢ではなかったか?わしは何と言った?」
アルドンザは言う「見果てぬ夢を追い、かなわぬ敵
に挑む。耐え難き悲しみに耐え、勇者も行かぬ地へ
向かう。」アロンソが続く「正せぬ誤りを正し、
清きを遠くから愛す。疲れきった腕で、届かぬ星を
つかむ。」アロンソは再びドン・キホーテとなり
『我はドン・キホーテ』を歌うが、力尽きて倒れる。
セルバンテスと召使は、宗教裁判にかけられるため、
牢獄の階段を登って行く。劇を共に演じた獄中の
囚人達は『見果てぬ夢』の歌を歌って2人を見送る。
https://www.youtube.com/watch?v=sMFOItUlaJE
私はピーター・オトゥ-ルという俳優が大好きです。
尊敬しています。そして、この作品も大好きです。
他人の目には、まるで風車と戦うように不可思議に
見えることでも、大真面目に行うことの出来る
自分でありたいと願って生きてきましたが、
果たしてそうであったか否か、自分には解りません。
出来ることなら最後まで、そんな自分でありたいと
思わずにはいられません。
Because, that’s my life !
名も無きオヤジが人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」毎週月曜日の朝に更新
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