「自分に忠実に生きたいね。」って
言うは易く、行うは難しだと思いません?
誰もが自分の思いを持ってて、その思いに忠実に
生きたいけど、世間がそうさせてくれない。否、
世間を忖度して自分で勝手にブレーキかけたり、
方向転換したりしてませんか?
芸術家は、その最たるものかも知れませんよ。
好き勝手に作品創って、それが高く買って頂ける
なら万々歳ですが、それを決めるのは世間です。
だから、芸術で飯を食って行こうと思えば、世間
に忖度して、高く買ってもらえそうな商品を
生産しなきゃならない。趣味と実益が一致すりゃ
勿論それに超したことないけど、そういう人は
ほんの一握りでしょ?画家なんて、偉大な方ほど
ご存命の間に評価されず、亡くなった後に高い値
がつくってことが多々あるでしょ?
私が敬愛するMichele Mangani様は現役の
作曲家ですが、作曲だけを生業として食べて
おられるのかどうか知る由もありませんし、
彼の作品が世界中でどれくらい愛好されてる
のかも解りません。イタリア国内ではかなり
愛されているような気はするんですけどね。
私は本当に、心から敬愛しています。
クラリネットのために、庶民にも解りやすく
美しく、短時間で聴ける楽曲を多く生み出して
下さっています。中でも特筆に値するのが
“The Dancing Doll”
https://www.youtube.com/watch?v=hoZ5YCao4KA
たった1つの解りやすいモチーフを
淡々と繰り返すこの曲に、Mangani様の誠実さ、
凄さを感じてしまうんです。だって、そうでしょ。
いったいどこぞの作曲家様ならこんな曲を描け
ますか?奇をてらうまで行かないにしても、たい
がいもうちょっとカッコつけますよ。中間部に
16分音符並べて変奏したり、テンポ変えたり、
とにかくもうちょっとクラのテクニックの見せ場
を作りますよ。「こういう曲描いてバカにされない
かな?」って普通なら不安がよぎるでしょ?
それでも描くって、勇気があるじゃないですか!
自分の名声でもなく、クラ奏者の名声でもなく、
聴衆本位!聴いて下さる方を飽きさせず、解り
やすく、心地良くさせてあげたいという自分の
思いに忠実に音符描いてるような気がするん
ですね。信念があるんじゃないですか?
ただ、1つだけ解らないものがあります。
タイトル“The Dancing Doll”(踊り人形)
パペットとかマリオネットなら聴いたことある
けど、踊り人形ってのがあるんですか?もし
あったとして、この曲調とイメージが合うんで
しょうか?このゆったりとした曲調で、いったい
Mangani様は何を表現したかったんでしょう?
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