みんなのミュージック・ビデオ第5弾「奈落」
が完成しました。
https://youtu.be/f6EJgJ476KI
自分で自分の作品解説をするのは変ですが
この作品を創るにあたっての思いや工夫などを
若干、ご披露させて頂きます。
まず、この「みんなのミュージック・ビデオ」という
プロジェクトですが、一昨年(2014)の夏から始まり、
これまで4作品をYouTubeにアップして来ました。
今回の曲は、その5作目で、作詞の山下礼さんは
第2弾「幼き日々よ」、第3弾「希望の星」の作詞も
担当して下さいました。第4弾「パワフル」からは
英語の訳詞も担当して下さっています。
製作協力の松枝泰弘さんは、第1弾から共に創造
して来た方です。私より良いソフトをお持ちなので、
私の創った音の質を高め、彼流のアレンジを加えて
曲を完成させて下さっています。第2弾「幼き日々よ」
ではボーカルを担当され、第4弾「パワフル」では
後半部分の作詞・作曲・編曲・ボーカルで、才能を
いかんなく発揮して下さいました。
さて、今回の作品ですが、
まず歌詞を頂いて、直感的に「曲にしたい!」と
思いました。言葉がシンプルで無駄がなく、しかも
奥が深いと感じたからです。この詩を歌にすれば、
必ず聴き手に伝わると感じました。
しかし、いざ頭の中で構想を練り始めると、
あまりにシンプルで短い詩を歌にすることの
難しさに直面しました。そこでまず考えたのは、
リフレイン(繰り返し)でした。考えてみれば昨今は、
歌詞の中身が伝わらない歌が蔓延していますから、
シンプルな歌詞を更に繰り返すことで、とことん
伝わる歌を創るのも一考かと考えました。
次に悩んだのは「奈落」をどうイメージするかです。
言葉の意味は「舞台の下部にあたる空間」で、
観客が決して見ることのない世界です。
「奈落の底に突き落とされたようだ。」などという
使われ方をされ、絶望的な状況を示唆しています。
ところが私には、奈落の底のような絶望的な経験が
なく「もし私が…。」と想像してみたところで、所詮
想像に過ぎません。私には、過去の自分の苦しい
経験を追体験し増幅させることしか出来ませんので
「苦しみも、そこから這い出そうとするパワーも、
這い出した時の喜びも、全ては私の想像を超える
ものだ。」という前提で構想を練りました。
歌詞が繰り返すので、メロディーも繰り返すことに
して、短調から中間部を経て長調で終わるという
若干のストーリー性を加えました。更に楽曲全体に、
言葉に出来ない不安感・焦燥感・高揚感といった
ものを暗示したかったので、
・引いては寄せる波のように、PPからFFに急激に
クレッシェンドするパターンの繰り返し
・不協和音の使用
・中間部以外は常に鳴っているティンパニー
・4分の7拍子という変拍子
・パーカッションのみの後奏
などの工夫をしてみましたが、これら全てが
私にとって初めての試みでした。
実を言うと、もうひとつありまして、
これは敬愛するベートーベン様へのオマージュ
などと、私のような市民作曲家が言っては
大変に失礼なんですが…
交響曲「運命」の運命の扉を叩く音「ダ・ダ・ダ・ダン」
のモチーフを、少々お借りしました。
奈落の底に落ち込んだ人が
この歌と出逢うことで
果たして何かしらの救いとなるか否か
考えても詮無いことではありますが、
何かのお役に立てればと
願わずにはいられません。
…ということで、今日は急きょ予定を変更し
ミュージック・ビデオの話をさせて頂きました。
我が青春の歌 Part3~4 は、
明日~明後日と続けてアップさせて頂きます。
名も無きオヤジが人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜日の午前中に更新
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