年末に第九を演奏する慣習は
日本だけだそうですが
お好きな方、多いですよね~
特にコーラスされる方は
演奏に加わったことのある方
いらっしゃるんじゃないでしょうか。
私は演奏したことはありませんが
好きです。毎年聴いても飽きません。
「苦悩を突き抜け歓喜に至る」
というベートーベンの言葉通り
第1楽章と第2楽章は暗いんです。
それまでの交響曲のセオリーでは
第2楽章は明るくゆったりとした
曲調になりますが、第九は早いです。
1楽章で苦悩と向き合い、2楽章で
苦悩から希望への道を駆け抜け、
第3楽章は清らかで安らかな調べが
続きます。正直、眠くなります。
そこがいい、悟りの境地ですから。
第4楽章は1・2・3楽章を振り返り
「どれもダメだ!俺の表現したい
のは別のものだ!」と言いながら
静かに流れ出すのは『喜びの歌』
そして喜びは増幅され、爆発します!
ベートーベンはシラーの詩に刺激
されて、この交響曲を着想したんだ
そうです。私は、詩はピンとこない
んですが、詩の内容は私にとって重要
ではなく、音楽の一部のような感覚で
聴いています。私の人生は幸か不幸か
「苦悩から歓喜へ」と言うほどの
大きな振幅はありませんでしたから、
その境地に達するということは
これからもないのかも知れませんが、
人並みに悲しみ喜びを味わいながら
生きて来ましたので、大いに感情移入
して聴くことができます。
クラッシック嫌いな方には
モーツァルトやベートーベンは
古臭く堅苦しい音楽と感じるかも
知れませんが、彼らは当時としては
革新的な音楽を創作し、音楽家の
生き様も変えた人々なんです。
それは、彼らの生きた時代に
アメリカの独立やフランス革命、
ナポレオン戦争という歴史的事件が
あり、王政から共和制へ、手工業から
機械工業へ、精神の抑圧から解放へ
と移行した時期だったことと無関係
ではないでしょう。
さあ、能書きは
このくらいにしときましょう。
今年まだ聴いていない方は
どうぞ、ごゆっくりお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=IwVFoFbQLR4
※今夜8時から
EテレでNHK交響楽団による
第九の演奏会が放映されます。
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・木の朝に更新。
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