2014年10月10日金曜日

訳わかんない

妻「私、少し仕事減らすわ。」
私「夜泳ぎに行く元気があるのに?」
妻「それとこれとは別腹!」
私「俺の方が休み全然少ないよ。」
妻「あんたは天職だからいいの!」

訳わかんないと思いません?

確かに私は、人から「天職ですね。」
などと言って頂くこともあります。
でも私には、訳わかんないことが
いっぱいあるんです。

『身体介護と生活援助』

利用者さんの身体に触れる介助
(入浴・更衣・排泄・移乗など)は
身体介護で報酬が高く
そうでない家事のお手伝い
(掃除・洗濯・調理・買物など)は
生活援助で報酬は低い

誰が何の為に決めたんでしょう?
利用者さんの利益になるでしょうか?
身体介護の方が大変ですか?
担い手が少ないですか?それとも
いずれ将来、生活援助はなくなると
ご聡明な方々が予見してましたか?

15分でオムツ交換が終わり、他に
することがない。よくあることです。
でも身体介護ですから、極端な話
そちらの物をこちらに動かすことも
できないんです。『意欲・関心の引き
出し』の為のおしゃべりなら身体介護
として認められてるんですが…。

実際の現場では
時間が余っていてもサッサと帰る人
時間いっぱいおしゃべりして帰る人
利用者さんの求めに応じて
生活援助でも、して差し上げる人
ヘルパーさんによって色々なのかも
知れませんが…。

『通院介助は通院介助だけ』

ご自宅と病院の往復の同行で
途中にスーパーがあって
何か買って帰りたいと希望されても
「一度帰宅して出直して下さい。」
と言わねばなりません。通院介助は
通院介助として終了させて、改めて
移動支援なり居宅介護なりを使って
出直しましょうと
真顔で言わねばならないんです。

『入浴は週2~3回まで』

脊椎損傷、頸椎損傷などの
障害者にとって、入浴は
身体の痛みを緩和してくれる
貴重な時間であって、単に
清潔を保つだけが目的ではない。
『温浴治療』の要素が強いんです。
それなのに「週に4回は贅沢。」
と判断されてしまいます。

介護には『ご利用者様本位』の原則
というのがありますが
そうして差し上げたくてもできない
ルールの矛盾に耐えることが
私にとって唯一
辛い仕事となっているんです。

皆さんは
いかがお感じになりますか?

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の夜に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp

2014年10月8日水曜日

月に祈る

夜の支援の帰り道
夜空を見上げる人が
たくさんいました。
月食だったんですね。

皆さん、どんな思いで月を
眺めていらっしゃったんでしょうかね

私が高校3年生の時
学校の芸術鑑賞会という行事で
テネシー・ウィリアムズ作の
『ガラスの動物園』という
演劇を鑑賞したんですが
その一場面に母と娘が
月にお祈りをする場面がありました。

足に障害を持ち、引っ込み思案で、
職業訓練校に通ったふりして
毎日、街をぶらつき
母に内緒でガラスの動物を買っては
それを眺めて暮らしている娘。
その娘の行く末を案じ、
好青年を食事に招いて
交際させようと企てる母。
が、思うようにはいきません…。
青年を見送った後、夜空には満月。

娘「お母さん、何をなさってるの?」
母「お祈りしてるのさ、お月様に。
  あんたの行く末を。幸せをね!」

私は、このセリフを聞いて
涙がどっと溢れ出たことを
つい昨日のことのように
覚えています。


当時の私の家庭は、母親が失踪し
幼い妹の行く末について
兄の私としては気がかりであった
それだけに、心に響いたんですね。

この劇と出逢ったことで
私は演劇の道へ進むことを
心に決めたんです。

では今宵は
グレンミラー楽団による
『ムーンライト・セレナーデ』を
お楽しみ下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=zdbY5x22gUI


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2014年10月6日月曜日

君は独りぼっちじゃない

今日は大型の台風が
首都圏を直撃しましたが
皆さん、いかがお過ごしでしたか?

私には、嵐が来る度に
思い出す歌があるんです。
ミュージカル『回転木馬』の
エンディングで歌われる曲
“ You’ll never walk alone ”
『君は独りぼっちじゃない』

♪When you walk through a storm
嵐のなかを進むなら
Hold your head up high
顔を上げて前を向こう
And don't be afraid of the dark
暗闇を恐れるな
At the end of the storm
嵐の向こうには
There's a golden sky
青空が広がってる
And the sweet silver song of a lark
小鳥の優しい歌声が待っている
Walk on, through the wind
風に向かって進もう
Walk on, through the rain
雨にうたれても歩みを止めず
Though your dreams be tossed
and blownたとえ夢破れようと
Walk on, walk on, with hope
in your heart行こう、進むんだ
希望を胸に抱いて行こう
And you'll never walk alone
君は独りぼっちじゃない
You'll never walk alone
君は独りぼっちじゃないんだ♪

皆さんは
暗闇の中にたたずみ
一歩も動けず恐怖に怯える
そんな心境になったこと
ありますか?

私は、つい最近
もう演劇では食って行けないと
悟ったとき、出口のない暗闇に
突き落とされ、鬱の一歩手前のような
状態になりました。
出張先で、昼間は営業に出られても
夜はホテルのベッドに横たわったまま
トイレ以外は何もできませんでした。
食事も入浴もできず、ただボーッと
テレビを眺めているだけで
激やせして行きました。

こんなこと言うと
私を知ってるほとんどの人が
「信じられない!」と言うでしょうね。

その暗闇に一筋の光を差し込んで
くれたのが、旧友でした。
役者時代に苦楽を共にした方が
今は訪問介護ヘルパーをして
未だに趣味で舞台に立たれ
超多忙な毎日を送られてました。
私がメールで
自分の今の状況を伝えると、

「介護なら感動するほど仕事あるよ。」

その一言が私を救ってくれたんです。
有難いことです。そのお陰で
今のような素晴らしい第二の人生を
送らさせて頂いてるんですから!
改めて感謝の気持ちを伝えたいです。

有難う!!!

それでは今日は
ミュージカル『回転木馬』より
“ You’ll never walk alone ”
 『君は独りぼっちじゃない』
をご紹介します。
天国に先立った男が1日だけ現世に
降り、娘と妻を勇気づける
感動的なラストシーンです。

この曲は私の母校
練馬高校の後輩諸君には
特に懐かしい曲だと思います。

君たちの青春に乾杯!
http://www.youtube.com/watch?v=eC0lOHBxreg


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2014年10月3日金曜日

モチベーション

20代半ばの頃
私は『赤毛のアン』という作品で
全国公演をしていました。

大分県の別府市という街で公演し
終演後に俳優が出口で観客を握手
で送り出す『送り出し』をしていた時
顔を真っ赤に泣き腫らしたお母さん
が小さな三人の子どもさん達ととも
に握手をして帰られました。

翌年『足長おじさん』という作品で
同じ別府の会館で公演し、今度は
送り出しではなく、ロビーで観客と
俳優との交流会をしました。その時
去年のあのお母さんが1年成長した
子どもさん達とともに参加しておられ
発言されたんです。

「去年、夫が急死し、私一人で幼い
三人の子をかかえ、正直無理心中
しようかというところまで考えました。
そんなときに『赤毛のアン』の公演が
あることを知り、せめてこの子達に
劇を見せてやってから…、と思い
鑑賞したら、とても感動し、頑張って
生きていく勇気を頂いたんです。」

そうおっしゃり、今度は私の方が
顔を真っ赤に泣き腫らすことに
なりました。私は高校1年生のとき
母に二度の自殺未遂をされた経験が
あったので、心に響いたんです。

「好きで始めた仕事だけど、人様の
お役に立てる立派な仕事なんだ。
よし、一生の仕事にしていこう。」

 その経験があったからこそ、食えない
と言われる演劇の道を、昨年5月
まで歩んで来られたんだと思います。

時を隔て今年3月
私はある方と出逢い、貴重な一言を
頂きました。互いに自己紹介をし
生年月日が何年?という話の中で
飛び出した一言…

「生まれて来ちゃったんです。」

私の胸にグサリと突き刺さり
まるで生涯抜き取ることのできない
トゲが刺さったかのように
忘れることの出来ない
心の痛みとなりました。

「生まれて来て良かったと
思ってほしい。その為には…。」

私は残りの半生を
この言葉の答え探しに
費やすことを決意しました。

Because, that’s my life !

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2014年10月1日水曜日

ブログの楽しさ

今年2月、私は
ある訪問介護の事業所に入社し
それまで全く縁のなかった
ブログを書くという仕事を
与えられ、それが日々の
ルーティーンになりました。

それから8カ月経った今
こうして個人のブログを書いてますが
有名人でもない、ただのオヤジが
大真面目に生き様を語るブログって
珍しくありません?

若い方のブログって
どこで、誰と、何食べて
食べ物の写真だったり
「イェ~イ!」の写真だったり
そういうの、多くないですか?

理屈くせ~

とか思いながらも
興味を持って下さる方は
きっといらっしゃるはず
そう期待して始めましたが
びっくりするほど多くの方が
訪れて下さるので
とてもやり甲斐を感じてます。

共感してる、共に生きてる

錯覚かもしれませんが
そんな感じがして、嬉しいです。

ところで
私の高校時代の2年後輩に
スポーツ用品販売会社の社長さん
やってる方がいて、8年間
毎日ブログを更新し続けています。
これは、やってみなければ
解らないことですが、大変なことです。
お仕事柄、経営のこと、経済のこと
を中心に書かれているようですが
ご興味のある方は、こちらへ…
http://blog.livedoor.jp/swallow4860-boss/

また、私のブログ立ち上げを
サポートして下さり
ミュージックビデオ製作の
良きパートナーでもある方
その方も最近ブログを立ち上げまた。
若くして頸椎損傷という
大きな障害を負いながらも
とてもクリエイティブに
毎日を過ごされている方です。
ご興味のある方は、こちらへ…
http://atelierc5.jp/

ミュージックビデオ・劇団・ブログと
たった8カ月の間に、たくさんの
生き甲斐を得ることができました。
私にその機会を与え
サポートして下さった方々に
心から感謝します。
そして精一杯、私なりに
恩返しをさせて頂きます。

これらの活動は
この先、私の行く末に何が起ころうと
ライフワークとして
一生続けて行きたいなって
そう思ってます。

Because, that’s my life !

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2014年9月29日月曜日

おもしろく生きる

「おもしろきこともなき世を
おもしろく」
高杉晋作の辞世の句
私は、この言葉が大好きです。

松下村塾に入っても師匠の吉田松陰
は処刑され、攘夷実行!とばかりに外
国船を砲撃すれば、報復にあって惨敗
してしまう。身分を問わない奇兵隊を
結成しても、長州藩は禁門の変で敗北
して朝敵となり…

さ~ぞ
おもしろくなかったことでしょうね~


その後、薩長同盟、第二次長州征伐で
の勝利など、明るい兆しが出始めたも
のの、肺結核のため大政奉還を目前
にして27歳の若さで亡くなりました。

実は今日
にじいろ・ミュージックビデオ・
プロジェクト第2弾
「幼き日々よ」を You Tube に
アップしました。
先日撮って来た海の映像も
使っています。

このプロジェクトでは
にじいろ介護一之江を通じて
知り合った人々が力を合わせて
創作しています。

10代の少年から介護保険適用者
まで幅広い年齢の方々が
利用者さん・ご家族・ヘルパーさん・
社長・管理職・平社員…
そういった肩書は意味のない
ありのままの人間達の絆です。

残された日々をおもしろく生きよう!
その一点で結ばれている絆です。
そんなことがあってもいいじゃないか
そう思って頂けますでしょうか?

それでは今宵は
つたないMVではありますが
「幼き日々よ」でお楽しみ下さい。
http://youtu.be/HhlYq_uPtu0
 
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2014年9月26日金曜日

歌って踊れるヘルパー

先日、養成所時代の友達が
Face Book で
「歌って踊れるヘルパーさんは
引っ張りダコでしょ?」
というコメントをくれました。

思い起こせば昨年の秋
ある方から
「一緒に演劇をやりませんか?」
と誘われました。
38年間の演劇人生にピリオドを打ち
まだ半年と経っていない時期に…

で、私、今の会社に入ったんです。

ただし、訪問介護の会社ですが
野球が上手いから
芸能事務所に入れてもらった
タレントさんみたいなもの
なんて言ったら
会社の方に叱られちゃいますね。
でも、開口一番
そう言われたことは事実です。

38年間の演劇人生と言っても
俳優としては最初の十数年間で
その後はずっと
プロデューサー兼、営業マンでした。
数年前に、たまたま役者さんが骨折し
急きょ代役で出るはめになりましたが
その時は「二度と出るまい。」と
心に誓ったものです。
ミュージカル『竜馬』という作品で
武市半平太と勝海舟を二役で演じ
ソロの歌まで歌ってしまうという…
20年も舞台から離れているのに
それをたった1日の稽古で…
ひどい目にあわされました。

江戸川区~浦安市を中心に
介護の仕事に従事している方々が
実話を脚色し上演している
『介護劇団たなごころ』の公演が
先月末にあり、
私はそこでデビューしました。

老老介護の夫婦の愛と悲しみを
描いた作品でしたが、お客様は
前半は良く笑い
後半はすすり泣きが聞こえ
最後は割れんばかりの拍手を
下さいました。

私は伴麗奈というペンネームで
ミュージカルの作曲・編曲も
手掛けてきましたので
出演者としてだけではなく、音楽でも
お役に立てたらと思ってます。

この活動は
この先、私の行く末に何が起ころうと
ライフワークとして
一生続けて行きたいなって
そう思ってます。

Because, that’s my life !

武内利之の「ザッツ・ライフ」
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