9作品あるベートーベンの交響曲の
うち副題がついているのは
3番「英雄」5番「運命」
6番「田園」9番「合唱付き」で
とても有名な曲ばかりですが、
副題のついていない
1・2・4・7・8番は一般的には
あまり知られていませんね。
その中で唯一の私のお気に入りは
第7番です。
底抜けに明るい第1楽章と第4楽章、
その狭間に、憂いに満ちた第2楽章、
平和な営みの第3楽章…。
この交響曲に副題をつけるとしたら?
という問いは興味深いけれども
答えを出すのは難しいですね。
私は「人生」とつけましょうか。
第1楽章は子供時代の、しつけや勉強
の窮屈さ、そこから開放された遊びの
楽しさ、奔放さ。第2楽章は人間の
不条理や挫折を経験。第3楽章は
平凡な日常に幸福を見出し、
第4楽章は自己実現に向けて情熱的
に生きる。そんな風に感じられます。
皆さんなら何とつけますでしょう?
【第1楽章】
最初の4分30秒は我慢して下さい。
ドレミファソラシド…、と
練習曲のような音楽が続きます。
けれども、フルートのこんな愉快な
メロディーが事態を一変させます。
規則正しい学校生活を終え
「さあ~、放課後だ~!」みたいな
躍動感と開放感に満ちた音楽です。
例によって
このモチーフを執拗に積み上げ
最後は全楽曲のエンディングのような
派手さで締めくくります。
【第2楽章】
どの楽章も明るいのに、何でこの楽章
だけこんなに暗い?と不思議な気持ち
になる楽章です。この音楽は何となく
聞いたことがあるという方も、結構
いらっしゃるんじゃないでしょうか?
以前私は「ベートーベンはメロディー
メイカーと言うより名アレンジャー。」
と評したことがありますが、それが
発揮されているのが、この楽章の
オブリガートの展開です。
単調なリズムの主旋律より
遥かにメロディックな副旋律が流れ、
展開し、テンションが上がって行く
のが良くお解りになると思います。
【第3楽章】
そのまま「田園」の第3楽章と入れ
替えてもいいような音楽です。
村の人々が踊っているような部分
大自然の恵みと平和な暮らしを
思わせる部分
その繰り返しになっています。最後の
この終わり方に違和感を感じるのは、
私だけでしょうか?
【第4楽章】
交響曲には「最後にもう一度盛り上が
ってから終わろう!」みたいな
「コーダ」というものがありますが、
この楽章はのっけからコーダみたいに
テンションMAXで走り出して
途中ちょこっとジョグが入りますが
すぐに気を取り直して全速力!
そして最後まで突っ走るんです。
とにかく人を元気にさせる作曲家
それがベートーベンです!
それでは、皆さんも
おおいに元気になって下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=PpiEnY9ecZc
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・木の朝に更新。
0 件のコメント:
コメントを投稿