私が介護者として持っている資格は
『ヘルパー2級』というもので、
授業と実習を受ければ、ほぼ全員が
資格を取得することが出来ました。
今は『初任者研修』と言う名称に
変わり、実習がない代わりに試験を
受けなければならないそうです。
私の受けた実習というのは、訪問介護
の事業所やデイサービス・グループ
ホームなどの施設へ行って、実際の
介護現場を体験することでした。
私が訪問介護事業所へ実習に行くと、
朝9時から朝礼、壁に貼った社訓を
社員の方達と一緒に音読しました。
次に1時間程のビデオを見せられま
した。その後お昼までの2時間程、
ポスティング用チラシを三つ折に
する作業をやらされました。午後から
2件の現場へ同行する予定でしたが、
1件は神経質な利用者さんなので
中止になりました。事業所は、どの
利用者さんが神経質で、どの利用者
さんが神経質でないかということは
解ってるんでしょうから、神経質で
ない利用者さんだけを2件予定して
おけばよろしいかったのにね…。
1件目の実習を終えて14:30頃に
事業所に帰り、もうやることがない
ので、本来帰宅してから書くべき
学校への実習報告書を書いてもいい
と言われ、書いてました。すると、
ピーターパンに出て来るような白い
フサフサの毛の大きな犬を連れた
ご婦人がやって来ました。社長様
でした。何でも訪問介護事業所だけで
なく、色々な施設も経営してるそう
なんですが、お散歩のついでに
お立ち寄り遊ばされたようです。
5~6分社員の方に愛犬のお話を
され、出て行かれました。
何をしに来たんでしょう?
50年以上も生きて来て
まだまだ世の中には不可思議な
ことがあるものだと思いましたよ。
グループホーム(認知症患者や障害者
のための集団生活型介護施設)に実習
に行くと、利用者さんに朝の清掃を
促し見守る職員の態度の悪いことに
まず愕然としました。言葉も態度も、
まるで刑務所の看守のようでした。
そして実習生の私に長時間、利用者
さんの話し相手をさせました。認知症
患者は同じことを何度でも話します
から、複数の利用者さんの相手をして
いると疲労困憊します。体験と言う
より、働かされてる感じがしました。
そんなこんなで、私の実習体験は
介護に夢や希望を抱かせてくれる
ものではなく、むしろ幻滅させられる
ものでした。「これなら、やらない
方がいい。」と正直思いましたよ。
初任者研修で実習がなくなったのは
あるいは、そんな声が行政に多数
届いたからなのかな、なんて
ちょっぴり思ったりもしますが、
どうでしょうか…。
武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・木の朝に更新。
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