2015年9月4日金曜日

私の営業哲学<商品力>

これは営業哲学と言うより
プロデューサーとしての哲学かも
知れませんが『商品に勝る営業なし』
というのが私の信念です。
ダイレクトメール贈るだけで
電話がジャンジャンかかって来る
それが究極の営業と言えるでしょう。
売りにくい商品を売るのも営業の腕
かも知れませんが、それは邪道です。
市場が萎めば萎むほど、リピートや
口コミの確率を上げねばなりません。
それには現場がいい仕事をして
揺るぎない信頼を得ることが一番!

劇のクオリティーだけでなく、搬入
から搬出までの間、公演班の人達が
主催者に与える印象全てが商品力
だと、私は考えてました。ですから
公演班の人間力UPも私の大事な
仕事と心得、俳優やスタッフとの
コミュニケーションに努めました。

また、私固有の武器を待ちたいと
考えました。社長は営業の叩き上げ
なので、営業力が最大の武器でした。
私は役者あがりでしたから創造面を
強みにしたいと考え、新作の企画立案
に力を入れました。当時は多くの劇団
が名作物を繰り返し上演してました。
学校・教育委員会・会館の担当者は
公務員なので保守的です。知らない
新作より、知ってる名作に食指が
動くのは無理からぬことです。
「シンドバッドの冒険」のパンフを
渡して「夢と希望がテーマです。舞台
に大きな船が出ます。」なんて言うと
「ああ、それでいいや。」なんて
思っちゃうもんなんです。

でも、それじゃあ私がプロデュース
する意味がない。名作物をやるなら
現代的にアレンジした翻案物にする
とか、ヒネリがないとつまらないし、
私固有の武器になりません。そこで
私はストーリーを探す前にテーマを
探すことにしました。世の中の動きや
子ども達を取り巻く状況を分析し、
自分は子ども達に何をプレゼント
してやれるのか、来る日も来る日も
そればかり考えるようになりました。
そして頻繁に企画書を提出しました。
しかし、そうして陽の目を見た作品は
14年間でたった2作!私の企画は
社長好みではなかったからです…。

私は、その社長のもとを離れ、新劇団
の立ち上げに参加しました。そして、
創りたい作品を思う存分創りました。
現代を鋭く捉え、教育現場の方々が
待ち望むテーマの作品であれば、
単なる名作物の焼き直しより説得力
があります。「明日が来るのが辛いと
感じる子を励ましたい。」と思い、
来栖あすか(明日が来る)のペン
ネームで物語を描き始めました。
児童演劇界で最も不足しているのが
良い作品を描ける作家だったので、
自分で描くことにしたんです。
『テレビゲームから抜け出せない
子ども達』『いじめを克服するトラと
ウサギの友情』『無気力な少女を
無我夢中にさせるイソップ童話の
主人公達』などという内容の作品が
全国を駆け巡ることになりました。

『商品に勝る営業なし』が
営業マンとしての私の
第三の哲学となり、
他の追随を許さないクオリティーの
作品創造に力を入れました。

The End

武内利之の「ザッツ・ライフ」
原則、毎週月・水・金の朝に更新。
E-mail:
at-home-takeuchi@aqua.ocn.ne.jp

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