2024年9月16日月曜日

情緒に流されない

高校卒業後、私は舞台芸術学院という2年生

の演劇学校に入学し、昼間の本科と、夜間の

ミュージカル部に通いました。本科の級友から

の連絡で、いよいよその学校の長い歴史に幕を

降ろすことになると知らされました。


その学校は俳優座養成所(今の桐朋学園芸術

短期大学)と並んで日本の草分け的な演劇学校

だっただけに1つの時代が終わったという感じ

がします。って言うか、私が入学した50年程

前は、新劇と言われる演劇の上演が行われてい

たものの、その頃すでに斜陽産業でした。って

言うか、そもそも演劇は、一部の商業化された

もの以外は産業化されたことなどなかった、

と言った方が解りやすいかも知れません。


私にとって2年間という、人生のほんの1コマ

ではあったけれど、アメリカ映画「フェーム」

のような思い出深い日々を送ることのできた

2年間でした。とは言え、私はその学校に特段

の思い入れはなく「廃校?そりゃそうでしょ。

むしろ今まで続いたことに驚き。」ってこと

しか思い浮かびませんでした。級友は「まだ

終わりじゃない。戦う!」って言ってますが、

私にはその思いを共有できません。


20数年前だったでしょうか、ある日突然、

高校時代の先輩から電話がかかって来て、

「○○高校が統廃合されるらしい。反対運動を

してるので、参加しないか?」と言われました。

母校が消えてなくなる寂しさは解らないでも

ないが、少子化が進むのだから当然と言えば

当然の話です。なので「私は賛成なので参加

しません。」と言ったら、絶句してました。


人間の文化は変化するものです。その過程で

淘汰されるものがあっても仕方ないことです。

わざわざ税金を使って保護して、時代の流れに

逆行する必要はないと、以前から思ってました。


私は根っからの表現者ですが、

芯は意外とドライで、

情緒に流されにくいんです。


Because, that’s my life ! 


名も無き親爺が人生を語る

世にも不思議なブログ

武内利之の「ザッツ・ライフ」

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