高校卒業後、私は舞台芸術学院という2年生
の演劇学校に入学し、昼間の本科と、夜間の
ミュージカル部に通いました。本科の級友から
の連絡で、いよいよその学校の長い歴史に幕を
降ろすことになると知らされました。
その学校は俳優座養成所(今の桐朋学園芸術
短期大学)と並んで日本の草分け的な演劇学校
だっただけに1つの時代が終わったという感じ
がします。って言うか、私が入学した50年程
前は、新劇と言われる演劇の上演が行われてい
たものの、その頃すでに斜陽産業でした。って
言うか、そもそも演劇は、一部の商業化された
もの以外は産業化されたことなどなかった、
と言った方が解りやすいかも知れません。
私にとって2年間という、人生のほんの1コマ
ではあったけれど、アメリカ映画「フェーム」
のような思い出深い日々を送ることのできた
2年間でした。とは言え、私はその学校に特段
の思い入れはなく「廃校?そりゃそうでしょ。
むしろ今まで続いたことに驚き。」ってこと
しか思い浮かびませんでした。級友は「まだ
終わりじゃない。戦う!」って言ってますが、
私にはその思いを共有できません。
20数年前だったでしょうか、ある日突然、
高校時代の先輩から電話がかかって来て、
「○○高校が統廃合されるらしい。反対運動を
してるので、参加しないか?」と言われました。
母校が消えてなくなる寂しさは解らないでも
ないが、少子化が進むのだから当然と言えば
当然の話です。なので「私は賛成なので参加
しません。」と言ったら、絶句してました。
人間の文化は変化するものです。その過程で
淘汰されるものがあっても仕方ないことです。
わざわざ税金を使って保護して、時代の流れに
逆行する必要はないと、以前から思ってました。
私は根っからの表現者ですが、
芯は意外とドライで、
情緒に流されにくいんです。
Because, that’s my life !
名も無き親爺が人生を語る
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武内利之の「ザッツ・ライフ」
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