介護の仕事を始めると、介護の本質は尊厳の
確保であり、ご利用者様本意であり、自立支援
であり、身体機能だけでなく生活の質の向上も
目指すのだと教わります。ヘルパーが行う支援
内容を規定した「老計第10号」ってのがあり、
課題分析の為のアセスメント23項目ってのも
ありますが、それらのどこを探しても見当たら
ないのが「心」なんですね。これは38年間「心」
の世界で生きて来た私にとって大きな驚きで
したよ。人は心で感じ、心で動くもので、演劇
はその心を動かす試みだからです。
私は50歳で煙草を止めましたが、節目の年を
迎えて命が惜しくなり、節制してもう50年
生きてみようと思ったからです。その後、食事
や運動にも気をつけるようになり、自称健康
オタクになりました。ケアマネさんに長期・
短期目標を言わされた訳じゃありません。ふと
心で思っただけです。その「ふと」のせいで
長生きするかも知れませんし、他人様に生活の
質をご心配頂かなくても済むかも知れません。
「意欲の向上」とか「意欲の引き出し」なんて
言葉も見かけるけど、介護度を上げさせないた
めに、そこまで上から目線にならなきゃいけま
せんかね。意欲が出ようが出まいが、それこそ
ご利用者様本位じゃありませんか。かく言う私
とて、いつか「ふと」無気力になっちゃうかも
知れないけど、そんときゃケアマネさん率いる
チームが意欲引き出して下さるんでしょうか。
仮に利用者さんに「幸せに暮らしたい。」って
言われて、その通りプランに書こうもんなら
「幸せってナニ?何m歩けるようになるとか、
具体的に書きなさい。」ってなっちゃう。そう
じゃなきゃ生活の質は向上しないようですよ。
私が出会う方は、難病や障がいを持った方、
改善の見込めない高齢者、会う度に「早くお迎
えが来てほしい。」とおっしゃる方など、様々
おられます。それでも生きてる限りは、誰でも
幸せになる権利があるというのが私の持論で、
その決め手になるのが心だと思ってるんです。
心の自由こそが最大の強みじゃないですか!
私の心と利用者さんの心が、ほんのちょっと
でも触れ合える瞬間があれば、ひょっとしたら
私の心が動くかも知れない、
利用者さんの心が動くかも知れない、
互いの心が動くかも知れない、
何か予期せぬことが生まれるかも知れない、
ちょっぴり、幸せ感じられるかも知れない…
なんてね、これまでも、これからも、
そんな気持ちで
出会いを重ねて行きたいと思ってるんですよ。
Because, that’s my life !
名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新
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