2017年12月17日日曜日

個性を理解する

2年程前にFacebookで知り合った友達に
食事をご一緒しませんかと誘われました。
私は承諾し、場所と時間を相談しました。
私の最寄駅が新小岩駅だと伝えると、
「それなら、カッパ寿司に行きたい。
行ったことがないから。」と言われ、
ルミエール商店街の入り口で
正午に落ち合う約束をしました。

当日の11:20に「早く着き過ぎました。」と
彼からのメール。「では11:40に会いましょう。」
と返すと、「ここでなく、カッパ寿司の前では?」
と言うので、店の前で落ち合うことにしました。
すぐに着替えて11:30に家を出ると
「今、55番席に着きました。」とメール。

(余程じっとしていられない人なのかな…)

彼は東大卒でADHDという個性の持ち主です。
互いの投稿を読み合い、感性や考え方を理解し、
共通点にも相違点にも気づいているとは言え、
全く一面識もない、SNS上での友達でした。
実際に会ってみると、落ち着いた方でした。
すぐに、にこやかな会話が始まりましたが、
話が弾みすぎて、注文した皿が流れて来ても
二人とも気づかずに
どんどんスルーしてしまう始末…

そんな彼も、小学校低学年の頃は
席に着いていられず、学校中を徘徊し、
職員室や校長室に遊びに行ったそうです。
授業は聞かなくても、教科書を読んだり、
クラスメイトにノートを借りて読んだりすれば、
テストにはちゃんと答えられたんだそうです。

今の彼は、身体は席に着いていても、
心は飛び回ってるんだそうです。
映画を見ていて、何かを連想しているうちに
次のシーンに移り、セリフを聴き逃して
話の筋が解らなくなってしまう…
DVDなら何度でも再生して確認しながら
観られるので、便利なんだそうです。

「パソコンの登場で、ADHDは
水を得た魚になった。」と彼は言います。

ADHDをパソコンに例えると、
スピードは早いがメモリ容量は少ない
パソコンなんだそうです。
次から次へと連想式で頭が回転して行くので、
相手の話を遮って話してしまわないと、
そのとき頭に浮かんだことを
どんどん忘れて行ってしまう…
自分が話している時でも、
自分の話すスピードより思考の方が早いので、
何を話したくて話し始めたのか
話している途中で忘れてしまう…

健常者から「話の腰を折る。」と煙たがられるので、
パソコンやSNSをコミュニケーションの
手段として用いるようになったんだそうです。
ADHDは『落ち着きがない』のではなく
頭の中が多動で、前の考えを高速で
忘れて行くのだと、彼は言います。

近頃は、自閉症を体験できる動画がありますが、
ADHDを体験できる動画は未だありません。
こうして、ご本人に会って、話を聞き、
得た知識を周囲に伝えて行く、
そうした努力を重ねることで、
世間の障がい者への理解が深まってくれればと
願っています。

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

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