2017年4月16日日曜日

食堂

利用者さんと一緒に
ファストフード店に行きました。
満席なので立ち止まって様子を見てたら、
後から来たお客さんが私達を追い越して
客席の方へ行き、タイミング良く立ち上がった
お客さんの席にサッと座ってしまいました。
私が店員さんに
「どういうシステムになってるんですか?」
って聞くと「空いた席にお座り下さい。」
って言うから「食べ終わりそうな人の前に立って
待ってるんですか?」って聞き返したら
何も答えず、ほくそ笑んでました。

思えば私が子どもの頃、デパートの食堂には
今みたいに食事エリアの外に待機エリアなど
用意されておらず、テーブルとテーブルの間の
隙間がないほど席待ちの人が立ってて、
食べ終えた人が立ったらすかさず座って、
注文したものがなかなか出てこなくても
辛抱強く待って、やっと出てきたと思ったら
今度は私達が食べ終えるのを待ってる人達に
見られながら食べるってことをやってましたが、

そんな昭和30年代の悪夢が蘇りましたよ。

落語「時そば」に、こんなくだりがあります。
「親方、お待ちどう様。」
「お、いいね。ちょいと無駄っぱなししてる間に
親方お待ちどう様、これじゃなきゃいけねえ
や。あつらえたもんがなかなか出来てこねえな
んてのは、うめえもんもまずくなっちまわあ。」
江戸っ子は気が短かったんですかね。

私の父も、しょっちゅういらいらしてましたよ。
「お待ちどうさまでした。」と言う
ウェイトレスに「お待ちしてました。」なんて
皮肉で返すのはザラで、
当時はそんな父を咎める者はいませんでしたが、
今の私は妻が怖くてそんなことは言えませんね。

私が子どもの頃のある日、食堂で注文したものが
なかなか出て来ず、父の怒りが頂点に達し、
私達は代金をテーブルの上に置き、店を出て行く
ことになりました。食べてもいないのに代金を
置いて行くってところが江戸っ子ですね。
「あんたは俺に迷惑かけたが、俺はあんたに
迷惑かけねえ。」って心意気を
見せたかったんですかね。

今の若者にも、当時の関西人にも
理解されない奇行だったかもね?

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

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