2019年8月4日日曜日

良識を示す勇気

夏は熱中症で救急搬送される方が多いですね。
要介護の高齢者も多いです。部屋にエアコンが
ない、あっても使わない、水を飲むとトイレが
近くなるから飲まない、なんて方が体調を崩さ
れる場合が多いですね。でも、そういうことを
お伝えしても、ご本人が拒否されれば、介護者
はそれ以上どうすることもできないんですね。

逆に、利用者さんが「風呂は毎日入りたい。」と
言っても「週3回が適当。」とか、「月1回で
充分。」と言っても「せめて週1回は入るべき。」
とか言われることがあるらしいです。エアコン
使わないと熱中症になりやすいのは客観的事実
ですが、風呂の回数は価値観の押しつけですね。
かと言って、利用者さんの意向に沿ってばかり
いると「言いなりケアマネ」の汚名を着せられ
かねませんので、ご利用者様本位もなかなか
難しいものです。

先日、高校野球の岩手県大会決勝で大船渡高校
のエース佐々木君が登板せずに大敗したことが
話題になりましたね。彼は県大会で7月16日に
19球、18日に6回無安打無失点で93球、21日
に延長12回を投げ抜き194球、24日の準決勝
に15奪三振完封勝利で129球投げていました。
肩、肘に違和感はなく、体に張りがある程度
だったので、翌日の決勝戦に連投すると思われ
ていました。しかし、彼を3年間見守り続けて
来た国保監督はエースの登板を回避して、念願
の甲子園出場を逃したんですね。監督は決勝戦
終了後に、こう語ったそうです。

「決勝戦を勝てば素晴らしい舞台が待っている
 ことは解っていたが、今まで3年間の中で、
 壊れる可能性が一番高いかなと思い、私には
 決断できませんでした。」

選手も、PTAも、学校関係者もみな甲子園出場
を期待し、自分も監督としての名声を得られる
と解っていて、もし負けてしまった場合の周囲
の失望と批判を考えれば、他校の監督同様、
球児の将来など考えずに投げさせるでしょう。
でも、国保監督は佐々木君の将来を気づかい、
良識を示しました。この愛と勇気に溢れた行動
を、元プロ野球選手の解説者がテレビ番組で
批判したそうです。

「歴史の大投手達はみんな投げている。怪我は
 スポーツ選手の宿命。痛くても投げさせる
 くらいの監督じゃないとダメ。」なんだとか。
この方は「脚力を鍛えるには兎跳びがいい。
練習中も試合中も水を飲んではダメ。」などと
言われてた時代の非科学的妄想から抜け出せ
ないんでしょうかね。メジャーリーグでは100球
超えたら投手交代。登板間隔もきっちり空ける
のが選手への配慮として当たり前に行われて
いますが、そのメジャーリーグを日頃から
糞味噌に言ってる方ですからね。高校時代、
あるいはプロに入って肩を酷使して選手寿命を
縮めた投手は大勢いるというのに、呑気なもん
です。もし、投げさせて怪我させても、何とも
思わないんでしょうね、こういう方は。

このコメントに、
今度はプロの現役投手達が批判。
その批判を部外者の芸能人がまた批判…
と波紋が広がっています。

良識を示す勇気、大切にしたいですね。

名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新

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