38年間の演劇人生で、私は短所を直すより
長所を伸ばす方が大事だと思って生きて来ま
した。芸の世界では秀でた才能を持つことが
重要で、平均点が高くてもダメなんです。踊り
はダメでも歌が抜群なら主役がもらえるけど、
どれも平均点じゃ注目してもらえません。私は
何一つ秀でたものがなく地味な演劇人生でし
たが、それでも自分なりに長所を伸ばそうと
努力して来たつもりです。
介護の世界は真逆でした。秀でた才能はなくて
も平均点の高い人が喜ばれます。調理はプロ級
だが身体介助は素人なんてヘルパーじゃダメ。
ケアプランは良く出来てるように見えても、
アセスメントがいい加減なケアマネもダメ。
芸術家が「君の作品は斬新だね。」って人から
言われたら喜ぶかも知れないけど、ケアマネが
「君のプランは斬新だね。」なんて言われたら、
恐ろしさで息が止まりそうになるでしょうね。
ところが、利用者さんを分析する時は別で、
「できないこと」ばかりに目を向けず「できる
こと(強み)」に着目することが大切だと研修
で教わります。そして、誰にも当てはまるよう
なのでなく「その人らしい」プランを作るように
と教わるんです。同じ支援を位置づけるにし
ても、ご本人が前向きにとらえ目標に向かって
改善していく動機づけになるようなプランを
作れってことなんでしょう。
そもそも人はなぜ短所を直さなきゃならない
んですかね?皆と協調して生きて行くためで
すかね?長所の目立つ人は独創的で魅力的で、
歴史を変えるような学者や芸術家には、そうい
う人が多かったんじゃないですか?「短所が
ないのが短所」なんて言い方もありますしね。
短所を直して喜ぶのは、自分よりも周囲の
人達のような気がしますけどね。
私生活において、子どもの頃は「明朗活発」
「面白い」「優しい」などと言われ、褒められ
て育った私ですが、結婚後は常にカミさんから
短所を指摘され、それを直しながら生きて来ま
したよ。だから今は、仕事でも私生活でも短所
を直す生き方を強いられてる訳です。
せめて、こうしてブログ書いてる時や、
音楽で無邪気に遊んでる時ぐらいは、
長所を伸ばす生き方をしたいもんです。
Because, that’s my life !
名もなき親爺が人生を語る世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」日曜の午前に更新
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