私が従事している介護の仕事は、俗に対面ビジ
ネスなんて言い方をされます。利用者さんと直接
向き合って行う仕事であり、気持ちや時間を共有
することで信頼関係が生まれるからです。裏を
返せば、気持ちがすれ違ってしまうと信頼関係は
崩れ、容易に修復ができなくなるってことです。
対利用者さんって意味では、ホームヘルパーも
施設の職員も、相談員もケアマネも皆同じです。
しかし、各事業所の先輩と後輩、上司と部下の
関係であっても、対面ビジネスと言っても良い
のではないかと、私は感じています。という
のも、介護業界は人の入れ替わりが多く、離職
の理由に職場内の人間関係をあげる人が少なく
ないからです。介護関係の事業所って小さい
ですから、1人のヘルパーさん、あるいは
1人のケアマネさんの入退社が売上に大きく
影響しますし、その事業所の存続にかかわる
ことさえありますから。
ところが不思議なことに、ヘルパーやケアマネの
研修とか主任や管理者の研修などでは、気持ちの
すれ違いによって自分が離職しないで済むよう
な、あるいは仲間を離職させないで済むような
内容の研修は一切ありません。せいぜいアンガー
マネジメントとか、ストレスコントロールとか
個人レベルのノウハウぐらいです。主任ケアマネ
の研修では、かろうじてケアマネの指導方法を
学びますが、あくまでそれは指導であって、気持
ちのすれ違いを避けるための方法じゃないです。
戦国武将の武田信玄は「人は石垣、人は城。」と
言って、家臣たちを大切にしたと言われてます。
戦国武将が生き残るためには、財政・武器・戦術
など大切にしなきゃならないことはたくさんあ
るにもかかわらず、あえて「人」を強調したん
ですね。
そう考えると介護の仕事は人しかありませんよ。
武器は人だけです。
私は脳も身体も衰える一方の前期高齢者で、事業
所で一番覚えが悪く、仕事が遅く、ケアマネとし
ての能力は人を育てる立場に適しているとは思
えません。私にできるとすれば、人を大切にし、
気持ちを通わせ、皆が離職せず、楽しく毎日の
業務に励めるような対面ビジネスを行うことの
みだと思います。
Because, that’s my life !
名も無き親爺が人生を語る
世にも不思議なブログ
武内利之の「ザッツ・ライフ」
0 件のコメント:
コメントを投稿